優良産廃処理業者認定制度を解説!認定の基準やメリットは?

優良産廃処理業者認定制度を解説!メリットは?

優良産廃処理業者認定制度とは、通常の許可基準よりも厳しい基準に適合した優良な産廃処理業者を、都道府県・政令市が審査して認定する制度です。
2010年度の廃棄物処理法改正に基づいて創設され、改正法の施行日である2011年4月1日より運用を開始しました。

処理業者は優良認定を受けると多くのメリットがあります。業界の透明性確保にもつながります。
排出事業者は業者選定を行う上で、施設や処理の状況はもちろん、財務諸表や組織体制などを確認することが可能になります。

認定の基準

実績と遵法性、事業の透明性、環境配慮の取組、電子マニフェスト、財務体質の健全性の5つになります。全てに適合していることが必要です。

1 実績と遵法性 5年以上産廃処理業を営んでいる実績があり、廃棄物処理法に基づく改善命令等の不利益処分を受けていないこと
2 事業の透明性 取得した許可の内容や産業廃棄物の処理状況、施設の維持管理状況など、一定の情報について、インターネットにより一定期間以上公表していること
3 環境配慮の取組 ISO14001やエコアクション21等の認証を取得しており、環境に配慮して事業を行っていること
4 電子マニフェスト 電子マニフェストシステム(JWNET)に加入しており、電子マニフェストが利用できること
5 財務体質の健全性 直前3事業年度のうちいずれかの事業年度における自己資本比率が10%以上であることや、法人税等を滞納していないことなど、財務体質が健全であること

認定を受けるためには、
・ 現在受けている許可の更新の申請の時にあわせて申請します。
・ 申請先は、現在の許可を受けた都道府県・政令市です。
・ 申請時には、上記基準に適合していることを都道府県等が確認するための必要書類を提出する必要があります。
・ 優良認定事業者として認定されると、優良マークの付いた許可証が交付されます。

優良マークの許可証

※引用:環境省環境再生・資源循環局廃棄物規制課「運用マニュアル


DXE株式会社資料DL

優良産廃処理業者の認定を受けるメリット

優良産廃処理業者の認定を受けるメリット

主なメリットとして、次の5つがあります。
1. 許可証等への表示、優良さんぱいナビへの掲載による幅広いPR
2. 産業廃棄物処理業の許可の有効期間の延長(5年 ⇒ 7年)
3. 申請時の添付書類の一部省略(自治体の判断によります)
4. 財政投融資における優遇
5. 環境配慮契約法に基づき国等が行う産業廃棄物の処理に係る契約での有利な取扱い

優良認定業者の情報検索

優良産廃ナビ

優良認定業者を、廃棄物の種類、地域、処理方法等から検索できます。
https://www3.sanpainet.or.jp/

さんぱいくん(優良認定業者検索)

事業の透明性に係る基準を満たすために会社情報等を登録した産廃処理業者を検索することができます。
現在の優良認定業者の一覧も公開しています。
https://www2.sanpainet.or.jp/zyohou/index_u4.php

産業廃棄物処理事業振興財団

産廃情報ネットを運営し、この優良化推進事業を行っています。

優良化推進事業のねらい

※引用:公益財団法人産業廃棄物処理事業振興財団「優良化推進業務概要

優良産廃処理業者認定制度に係る公表事項

分類 情報の公表項目
1.会社情報 1-1 名称、所在地、設立年月日、資本金又は出資金、代表者・役員等の氏名、及び就任年月日
1-2 事業の内容(資本金、会社名や事業内容の変遷等)
2.許可情報 2-1 事業計画の概要
2-2 業許可証の写し
3.施設及び処理の状況 3-1 事業の用に供する施設(車両も含む)の種類及び数量、低公害車の導入状況
3-2 施設の種類ごとの処理能力、処理方式、構造および設備の概要
3-3 事業場ごとの処理工程図
3-4 産業廃棄物の種類ごとの最終処分までの一連の処理の行程
3-5 持出先の個社名公表の可否
3-6 処理の実績、熱回収量等(直前3年間分)
3-7 処理施設の維持管理状況(直前3年間分)
4.経営財務 4-1 財務諸表(貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、個別注記表)・・・ 直前3事業年度分
5.料金 5-1 料金表の提示、料金算定式の提示、個別見積もり等の料金の提示方法
6.組織体制 6-1 社内組織図
6-2 人員配置
7.事業場の公開 7-1 事業場の公開の有無及び公開頻度

※引用:産業廃棄物処理振興財団「優良産廃処理業者認定制度 公表情報の活用のしかた

産廃情報ネットでの確認方法

上記公表事項を確認するには、産廃情報ネットを開きます。

さんぱいくん

「さんぱいくん」で検索して個別の業者をクリックすると「自治体から提供を受けた情報」が表示されます。
「事業者による登録情報はこちら」をクリックして「事業者が登録した情報」を開きます。次の図を参考にして下さい。

「優良産廃処理業者認定制度に係る公表事項」をクリックすると新たなタブが開いて確認することができます。

優良産廃処理業者認定制度 公表情報の活用のしかたはこちら

優良認定業者になるには、健全な経営を継続していることは前提として、JWNETに加入し、ISO14000もしくはエコアクション21の認証を取得し、財務諸表をはじめとする情報を公表しメンテナンスしていく必要があります。
十分な準備と継続的な対応が必要になりますが、メリットも大きいので未取得の方は検討されては如何でしょうか。
認定業者が増えることは、業界の地位向上にもつながるものと思います。

付録

産廃情報ネットの公表データから「売上高」「営業利益」を集計して並べてみました。漏れ等についてはご容赦下さい。

単位:億円

No 会社名 決算期 売上高 営業利益
1 大栄環境 + 三重中央開発 202303 568 145
2 ダイセキ + ダイセキ環境ソリューション 202302 482 103
3 J&T環境 202303 383 -2
4 アイザック + オール + トランスポート 202204 338 67
5 タケエイ + イコールゼロ + 北陸環境サービス 202303 211 34
6 オオノ開發 202208 193 52
7 ジャパンウェイスト + 富士炉材 202303 182 38
8 東芝環境ソリューション 202203 165 25
9 喜楽鉱業 202205 157 35
10 ミヤマ 202211 154 42
11 三和油化工業 202303 147 12
12 有明興業 202206 138 5
13 シンシア 202303 135 36
14 富山環境整備 202210 130 18
15 日和サービス 202303 111 4
16 クレハ環境 202303 109 19
17 ツネイシカムテックス 202212 105 17
18 京葉興業 202303 103 2
19 高俊興業 202205 102 21
20 日曹金属化学 202203 100 8
21 仙台環境開発 202210 84 50
22 イージーエス 202303 84 3
23 エコ計画 202212 82 15
24 三光 202209 77 15
25 石坂産業 202208 70 15
26 三友プラントサービス 202212 69 5
27 光和精鉱 202303 65 3
28 市川環境エンジニアリング 202205 65 2
29 東武商事 202206 59 5
30 エスアール 202211 59 4
*黄色マーカーは前年3月期の数字  (2023年7月7日 現在)

優良産廃処理業者認定制度に係る公表事項として、財務諸表等を公表しているのですが、もう少し利用しやすい形になると良いと思います。

また、CO2排出量(原単位)や再生利用率(リサイクル率)などの項目も加え、公表期限も明確にしたほうが利用しやすくなりますね。
優良企業認定者の負担は増えるので、メリットを増やすことで推進し透明性を確保することが望ましいと思います。


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