【2024年度版】産業廃棄物収集運搬講習とは?わかりやすく解説

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産業廃棄物収集運搬講習は、廃棄物の適正な運搬や処分を行うために、収集運搬事業者に義務付けられたものです。

産業廃棄物収集運搬業を営む法人は受講が必須で、講義を受けるだけでなく試験に合格する必要があります。

今回は産業廃棄物収集運搬講習の概要や特徴、申込から取得の流れについて解説します。受講料や合格率、合格点など、これから講習を受ける人が知りたい内容も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

<ご注意>
当コラムで紹介している内容の運営元は、公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センター(JWセンター)となります。弊社(DXE株式会社)とは別の団体となりますため、恐れ入りますが、詳細に関しては、運営団体へ直接お問い合わせいただきますようお願い致します。

産業廃棄物収集運搬講習とは

まず産業廃棄物収集運搬講習の概要や目的、受講対象者、受講期間、講習の種類、試験会場、受講料、申込方法について解説します。

概要

産業廃棄物の収集運搬に携わる者が、適正な処理に必要な専門知識と技能を習得するために行われる講習です。講習会の運営は公益社団法人日本産業廃棄物処理振興センター(JWセンター)が行っています。

産業廃棄物収集運搬業の許可申請を出す前には必ずこの講習を受ける必要があります。事業の申請時の書類として講習の修了証(もしくは受講票の写し等)が必須になります。
修了証は、講習後の修了試験に合格することで受け取ることができます。
産業廃棄物収集運搬講習の修了証がなければ収集運搬業の許可証は発行されず、事業を行うことはできません。

目的

産業廃棄物収集運搬業は、周辺環境に悪影響を生じさせる可能性のある仕事です。事業自体も自由に開始できるものではなく、都道府県知事に対して申請を行い、許可を受ける必要があります。

そのため、事業者の知識や技能を高める目的で講習が行われます。事業者は研修を受けることで専門性を高め、適切な収集運搬を行わなければなりません。

受講対象者

これから産業廃棄物や特別管理産業廃棄物の収集・運搬業の許可を受けようとする人が該当します。
また、すでに許可を受けており、期限が到来した後も継続して更新を行う者も対象です。

新規で許可を取得する場合、事業の代表者が講習を受講しなければなりません。
法人の許可申請では役員または収集運搬業を行う区域内の事業場の代表者が対象です。

ただし申請者または法人の代表・役員に欠格事由に該当する者がいると許可を受けられないので注意してください。

受講期間

産業廃棄物収集運搬講習の対面形式の場合の受講期間は、産業廃棄物の収集運搬過程は2日間、特別管理産業廃棄物の収集運搬過程は3日間です。開催日程は日本産業廃棄物処理振興センターの公式サイトよりご確認ください。

<ご注意>
当コラムで紹介している内容の運営元は、公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センター(JWセンター)となります。弊社(DXE株式会社)とは別の団体となりますため、恐れ入りますが、詳細に関しては、運営団体へ直接お問い合わせいただきますようお願い致します。

講義や試験の会場

講習の科目や時間数は新規と更新で異なるのでご注意ください。

産業廃棄物の収集運搬過程(新規)では5科目、計12時間の講義を受けます。内訳は廃棄物処理法概論4.5時間、安全衛生管理2時間、環境・循環型社会概論1.5時間、業務管理2時間、収集・運搬2時間です。

特別管理産業廃棄物の収集運搬過程(新規)の場合、6科目16.5時間の講義を受けます。その内訳は廃棄物処理法概論4.5時間、環境・循環型社会概論2時間、特別管理産業廃棄物概論2時間、業務管理2時間、安全衛生管理3時間、収集・運搬3時間です。

産業廃棄物の収集・運搬課程(新規) ・廃棄物処理法概論 4.5時間
・安全衛生管理 2時間
・環境・循環型社会概論 1.5時間
・業務管理 2時間
・収集・運搬 2時間
特別産業廃棄物の収集・運搬課程(新規) ・廃棄物処理法概論 4.5時間
・環境・循環型社会概論 2時間
・特別管理産業廃棄物概論 2時間
・業務管理 2時間
・安全衛生管理 3時間
・収集・運搬 3時間
産業廃棄物又は特別管理産業廃棄物の収集・運搬課程(更新) ・廃棄物処理法概論 3時間
・安全衛生管理 1.5時間
・収集・運搬 1.5時間

参考:公益社団法人日本産業廃棄物処理振興センター「開催日程」

処分過程も別途存在し、収集運搬のほか処分業の許可を受けたい人は、こちらも受講が必要です。
処分過程と収集運搬過程の同時受講が可能なコースもあります。科目数や時間数は増えますが、一度にまとめて講習を受けられるので効率的です。

講習会や試験は各都道府県で開催されており、お住まいの地域にかかわらず全国どこでも受講可能です。

講習会の種類・受講料

産業廃棄物収集運搬講習は自宅や会社で動画を視聴してから会場で試験を受けるオンライン方式と、会場で講義を受けた後にそのまま受験する対面方式の2種類に分かれます。

講習会の受講料は受験方式や講習の種類によって異なります。新規で産業廃棄物収集運搬業の許可を受けようとする場合、オンライン形式では25,300円(税込)、対面形式では29,700円(税込)の支払いが必要です。(2024年4月2日時点)

新規で特別管理産業廃棄物収集運搬業の許可を受ける場合の受講料は、オンライン形式で37,400円(税込)、対面形式だと46,200円(税込)です。(2024年4月2日時点)

また、収集運搬過程と同時に処分過程も受講する場合は、割引料金が適用されます。(別々の日程で受ける場合は割引適用外)

参考:公益社団法人日本産業廃棄物処理振興センター「各講習会の概要と受講料」

申込方法

産業廃棄物収集運搬業の申込は公益財団法人 日本産業廃棄物処理振興センターの公式サイトから行います。申込時には本人確認用の顔写真を登録する必要があります。講習の種類や会場の場所を選択して申込を行います。

支払情報等が記載された仮受付のメールが届くので、試験日まで保管しておきましょう。次に、指定された期日までに受講料を支払います。支払い完了後、受験番号が発行され、受講決定のメールが届きます。

オンライン形式の場合、テキストが必要です。受講決定のお知らせメールの到達後2週間以内に、テキスト等の資料が届きます。

お手元に資料を準備できたら、マイページにログインして講義動画を視聴するという流れです。

オンライン・対面どちらの場合でも、申込時に指定した日時と会場で試験を受けてください。対面形式では講義初日にテキストが配布されます。

<ご注意>
当コラムで紹介している内容の運営元は、公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センター(JWセンター)となります。弊社(DXE株式会社)とは別の団体となりますため、恐れ入りますが、詳細に関しては、運営団体へ直接お問い合わせいただきますようお願い致します。

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産業廃棄物収集運搬講習申込から修了証取得までの流れ

産業廃棄物収集運搬講習の申込から修了証取得までの流れを詳しく解説します。まず大まかな流れを振り返りましょう。

  1. 申込
  2. 受講料の支払い
  3. 講義を受講
  4. 試験を受ける
  5. 試験結果の通知

申込方法はWebのみですが、パソコン・スマートフォン・タブレットいずれの端末からでも可能です。申請時に顔写真のデータが必要なので、カメラ機能がついた機器でのアクセスを推奨します。

申込時にはパスワードの入力が求められるため、紙やPCのメモ機能などを使い、忘れないようにしましょう。申込が完了した後に届く仮受付メールは、所定の時間内にログインしないと自動キャンセルになってしまうので注意が必要です。

受講料の支払方法はカード決済・銀行振込・コンビニ払いの3種類があります。カード決済は即日ですが、それ以外の方法なら期日までに時間的な余裕を取ることが可能です。

支払い完了後に送付される受講決定メールは所定の時間内にログインしないと自動キャンセルが適用されてしまいます。

オンラインでの講義動画は端末の種類問わずアクセスでき、講義日までならいつでも何度でも視聴できます。受講を取りやめる場合、動画視聴後は返金不可となってしまうのでご留意ください。

試験に必要となる受講票は、自分で準備して会場へ持ち込みます。マイページにログインし、受講票ダウンロードボタンから印刷可能です。

試験結果は試験後2〜3週間以内に郵送で届きます。合格者には修了証が、不合格者には再試験の案内が送付されます。

修了試験の内容・合格率

産業廃棄物収集運搬講習の修了試験は〇×で正誤を判定する問題と、多肢選択式の問題から構成されています。

産業廃棄物収集運搬講習の合格率は公表されていませんが、難易度は高い試験ではなく、毎年多くの受験生が合格しています。

万一不合格になったとしても、再試験を受けることが可能です。試験後に日本産業廃棄物処理振興センターから、修了の認定が得られなかった旨および得点を記載した文書が届きます。

再試験の案内も同封されているので、再チャレンジを希望する人は内容を確認しましょう。再試験は年度末までに最大2回まで受講でき、試験を受けるごとに受講料の支払いが必要です。

再試験・再々試験のどちらにも不合格だった場合、翌年度にまたがっての再受験は不可です。翌年、講義の受講からやり直す必要があります。

参考:公益社団法人日本産業廃棄物処理振興センター「試験時間等一覧」(入手日付2023-08-03)

産業廃棄物収集運搬講習の受講上の注意点

産業廃棄物収集運搬講習を受講するうえでの注意点は次の4つです。

● 早めに予約
● 顔写真を事前に用意
● 修了証の有効期限を把握する
● 修了証は紛失しないよう保管する

どれも最短で産業廃棄物収集運搬業を始めるため、かつ手続き上でミスを起こさないために必要なポイントです。

早めに予約

産業廃棄物収集運搬講習の受講を決めたら、早めに予約を行うのが重要です。申込を済ませてから修了証を受け取るまで、ある程度の時間がかかるからです。

試験後に修了証が届くまで2〜3週間必要となるほか、オンライン形式の場合はテキストが届くまで待たねばなりません。また、申請が直前になると希望日が埋まってしまう恐れもあります。

産業廃棄物収集運搬業を営むには講習の受講と試験の合格が必須です。修了証を受け取らないと仕事を開始できないため、講習の予約は早めに行いましょう。

顔写真を事前に用意

Web申込用に本人確認用の顔写真データを用意する必要があります。データのサイズが決まっているため、スマートフォンやデジタルカメラ等で撮影した写真の加工が必要です。

申請者本人がツールを使用して自ら写真のサイズを調整するほか、日本産業廃棄物処理振興センターに加工を依頼することも可能です。顔写真データを指定のメールアドレスに送付すれば、2営業日を目途に、適正なサイズに加工された写真を受け取れます。

修了証の有効期限

産業廃棄物収集運搬講習の修了証には有効期限が設定されています。有効期間内ならば産業廃棄物収集運搬業の申請許可が認められます。

有効期限は、都道府県によって異なるため、必ず確認しましょう。例えば東京都の場合、新規の産業廃棄物収集運搬講習の修了証の有効期限は5年、更新の場合は2年です。

修了証の紛失

万が一修了証を紛失してしまった場合、日本産業廃棄物処理振興センターの公式サイトから再交付の申請が可能です。一枚の修了証につき、1,100円(税込)の再交付手数料がかかります。(2024年4月2日時点)

産業廃棄物収集運搬業の許可申請には修了証原本と写しの提出が必要です。万一紛失してしまうと手続きが増えてしまうので、注意して保管しましょう。

産業廃棄物収集運搬講習の受講後は許可申請を

修了証が手元に届いたら、許可申請を行うことが可能になります。都道府県知事から許可を受けるためには、事業を継続して行うための経済的基盤や欠格条項に該当しないこと、廃棄物が飛散する恐れのない運搬車や運搬容器、運搬施設を保有していることなどの条件が必要です。

産業廃棄物の種類は廃棄物処理法で定められた、燃え殻や紙くず、廃油等の計20種類です。さらに産業廃棄物のなかでも感染性や毒性があり、人体や環境に悪影響を生じさせる可能性があるものは特別管理産業廃棄物に区分されます。

扱う廃棄物の内容によって必要な許可の種類は異なるので、申請の前に事業の詳細を決めておくことをおすすめします。

産業廃棄物収集運搬講習についてよくある質問

産業廃棄物収集運搬講習でよくある疑問をまとめました。講習の概要や試験の合格率、合格点について答えています。

産業廃棄物収集運搬講習とは?

産業廃棄物収集運搬業の許可を受ける前に、法人の代表者や役員等の受講が義務付けられた講習です。講習の修了証は申請書類の一種なので、業として産業廃棄物収集運搬を検討している場合、必ず受けなければなりません。

周囲の環境に悪影響を与えないよう、廃棄物処理の適切な知識を身に付けることが目的です。自動車の運転免許のように定期的に更新があり、都度講習を受ける必要があります。

産業廃棄物収集運搬講習修了試験の合格率は?

修了試験の合格率は正式には公表されていませんが、決して難易度が高い試験ではありません。多くの受験生が一発で合格しており、万一不合格になっても二回まで再試験が認められています。

マニフェストの業務負担やストレスを大幅軽減するならDXE Station

産業廃棄物収集運搬業を営むなら、必ず講習を受講しなければなりません。申込から合格後の修了証の送付までは時間がかかるので、早めの手続きが求められます。

「紙の保存や行政報告から解放されたい」しかしながら「JWNETの操作は自信がない」という排出事業者のみなさん、また、そういったお客様をお持ちの収運会社のみなさん。

収運会社にDXEサービスを使って代行起票頂くことが最善の方法だと思います。
DXEシステムは関係者すべての業務効率化につながります。また、産廃業務に精通したスタッフがサポートします。


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