
国内の産業廃棄物のうち、全体の約20%を超える量が建設業から排出されています。建設リサイクル法を通じて建設廃棄物のリサイクルは推進されており、特にコンクリートはさまざまな方法で再利用されています。
コンクリートの数あるリサイクル方法のうち、近年注目度が高まっているのが再生骨材です。建設コストや産業廃棄物の排出量を削減できるなどのメリットがあります。
そこで本記事では、再生骨材の概要や種類、活用するメリットをご紹介します。「建設コストを削減したい」「環境に優しい取り組みを推進したい」と考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
※参考:環境省「令和5年度事業 産業廃棄物排出・処理状況調査報告書 令和4年度速報値(概要版)」(入手日付2024-05-14)
目次
再生骨材とは?
再生骨材とは、建設工事や解体工事に伴い排出されるコンクリート塊を破砕・粉砕して製造される骨材です。新たなコンクリートを作る際の原料となります。
コンクリート塊には木くずや金属くずなどが含まれている場合があるので、これらを取り除いた上で再生利用されます。
再生骨材の種類
再生骨材は、その品質に応じてL(低品質)・M(中品質)・H(高品質)の3種類に分けられます。これらはJIS規格による基準が設定されており、骨材の密度や吸水率、不純物の含有量など、様々な項目で判定されます。
当初JISによる規格は定められていませんでしたが、コンクリート廃材の再利用を目的として、2005年から2007年にかけて制定されました。
それぞれの概要と特徴を見ていきましょう。
再生骨材L

再生骨材Lは、3つの中で最も品質の低い骨材で、コンクリート塊を簡易的に破砕して製造されたものです。製造コストがかかっていない分、再生骨材の中でも安価であり、耐久性が求められない場面や基礎工事前に流し込む捨てコンクリートなどに用いられます。
再生骨材M

再生骨材Mは中間の品質の骨材で、セメントペーストやモルタルが残った状態で製造される骨材です。耐久性と強度は再生骨材Lよりも優れており、コンクリート管やマンホールなどのコンクリート二次製品にも利用されています。
価格は再生骨材LとHの中間程度で、標準品の他、凍結融解に耐えうる耐凍害品もJIS規格により設定されています。
再生骨材H

再生骨材Hは、3つのなかで最も高品質な骨材です。破砕・分級などの基本的な処理に加えて、加熱すりもみなどの高度な処理が施されています。他の再生骨材と比較して、高い強度と耐久性を持っており、RC建造物などにも利用されています。
通常のコンクリートとほぼ同様に使用することができますが、製造コストが高いことがネックになっています。
再生骨材を活用するメリット
再生骨材を活用するメリットは、以下の通りです。
● 建設コストを削減できる
● 産業廃棄物の排出量を削減できる
● 環境保全につながる
まず挙げられるのが、建設コストを削減できる点です。再生骨材は建設廃棄物を再利用したものなので、製造コストが安く、これを用いることで結果的に建設コストも削減できます。
また、産業廃棄物の排出量を削減できる点もメリットです。本来廃棄されるはずだった廃棄物を用いることで、最終処分量を減らせます。
さらに、再生骨材の利用を推進していくと、環境保全にもつながります。再生骨材は、資源の枯渇を防ぎ、環境に優しい持続可能な建設材料です。
再生骨材普及のための課題
前述したようなメリットのある再生骨材ですが、普及を進めるためには様々な課題があります。複数の現場から排出された原料が集まることによる品質の不安定さや、地域による供給量の差などが挙げられ、各自治体により対策が行われています。
循環型社会の実現のため、排出量の多いコンクリートの再利用は急務であり、今も検証が進められています。国内のSDGs意識の高まりや、海外からの需要も高まっていることから、今後ますます普及は進んでいくでしょう。
参照:東京都環境局「再生骨材コンクリートの利用推進」
参照:ACRAC (エーシーラック)一般社団法人 再生骨材コンクリート普及連絡協議会 広報資料
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