DPP(デジタルプロダクトパスポート)を活用するラグジュアリー業界のオーラ・ブロックチェーンとは

DPP活用で進化するEUラグジュアリー業界の透明性と廃棄物問題

EUでは2024年7月、売れ残った衣料品の廃棄禁止などを定める「エコデザイン規則」が施行されました。規則の中では、製品のライフサイクル全体をデジタルで追跡するシステムである「DPP(デジタルプロダクトパスポート)」の提供が企業に求められています。

LVMH、プラダ、カルティエなどのラグジュアリーブランドを中心とした企業団体により設計されたAura Blockchain(オーラ・ブロックチェーン)という技術は、このDPPに適合し、ブランド製品のリサイクルなどに役立てられています。

今回は、このオーラ・ブロックチェーンの取り組みについて紹介します。

ラグジュアリー業界の廃棄物問題

プラダ、カルティエなどの高級な衣料や宝飾品を扱うラグジュアリーブランドは、廃棄物管理という新たな責任に直面しています。高価格帯の製品は、廃棄やリサイクル時にその価値を最大化しつつ、なおかつ環境負荷を抑える必要があります。

これらの課題に対応するため、ラグジュアリーブランドを中心とした企業連携の組織である「Aura Blockchain Consortium(オーラ・ブロックチェーン・コンソーシアム)」が2021年に設立されました。
オーラ・ブロックチェーンは製品のサステナビリティや透明性を高めることを目的としたプラットフォームで、LVMH、プラダ、カルティエなどのブランドが中心となり、新しい廃棄物管理の方法を提供しています。

ブロックチェーンとは

ブロックチェーンとは、対象となるものの過去の取引履歴を正確に把握できる仕組みです。暗号技術によって取引データをブロックという単位でまとめ、ブロック同士を1本の鎖のように繋げていくことから、ブロックチェーンと呼ばれます。

ブロックチェーンにおいて過去の取引データを改ざんすることは非常に困難です。また、ネットワークに参加している全員が取引履歴を確認できるためデータの透明性が高く、金融業界や医療業界など、様々な分野で活用が期待されています。

ラグジュアリーブランドの共同事業体であるオーラ・ブロックチェーンは、製品の製造プロセスから廃棄に至るまでの詳細なプロセスの記録を、すべてのステークホルダーに提供しています。

  • 製品がどこで、どのように作られたか
  • 使用された素材がどれほど環境に優しいか
  • 製品の真正性を証明するデジタル証明書

オーラ・ブロックチェーンを利用しているブランドの消費者は、製品のQRコードをスキャンすることで、これらの情報にアクセスすることが可能です。

オーラ・ブロックチェーンを利用したサーキュラーエコノミー(循環型経済)への取り組み

廃棄物の管理はラグジュアリーブランド業界だけでなく、すべての産業が直面する重要な問題です。
オーラ・ブロックチェーンは、サーキュラーエコノミー(循環型経済)を推進するツールとしても機能しています。

たとえば、カルティエは宝石や金属をリサイクルし、その由来を追跡可能にしています。この仕組みにより、廃棄物量の削減や、高品質素材の再利用促進、持続可能な製品ラインの構築が期待されます。また、透明性のあるデータを活かし、製品を廃棄する際のリサイクル率向上にも役立てています。

そして、ラグジュアリー業界での成功事例は、他の産業にも波及する可能性があります。
廃棄物処理業界においては、トレーサビリティシステムを構築することで、廃棄物の正確な分類と管理や適正処理の証明、不正投棄防止のためのデータ管理が可能になるでしょう。
ブランド製品のリサイクルだけではなく、世界すべての廃棄物管理の効率化がオーラ・ブロックチェーンには期待されているのです。

まとめ

オーラ・ブロックチェーンは、ラグジュアリー業界における透明性、持続可能性、そして廃棄物問題の解決に大きく貢献する画期的なプラットフォームです。IT技術を活用することで、サプライチェーンの各段階を詳細に記録し、消費者に真正性と信頼性を提供します。

各ブランドの商品が持つ価値を保護するだけでなく、持続可能な製造プロセスを促進し、環境負荷を軽減する効果も期待されています。廃棄物の削減や資源の再利用が可能となり、循環経済の推進において重要な役割を果たします。

こうした取り組みは、ラグジュアリーブランドにとどまらず、他の産業への応用可能性も秘めており、グローバル規模での持続可能な社会の実現を促進する鍵になるでしょう。

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