危険物第5類とは?定義から保管・運搬方法まで解説

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危険物第5類の産業廃棄物は、可燃性や爆発性があるため適切な処理が必要です。そのためには、具体的な性質や、指定数量などを正確に把握しておく必要があります。

そこで本記事では、危険物の定義や第5類に該当する産業廃棄物の保管方法などをご紹介します。危険物を取り扱う業務に関わっている方は、ぜひ参考にしてください。

危険物の定義

危険物とは、一般に爆発性物質や引火性物質、放射性物質、毒劇薬などを総称する言葉です。消防法では、以下の性質を有するものを危険物と定義しています。

  • 火災発生の危険性が高いもの
  • 火災拡大の危険性が高いもの
  • 消火が困難なもの

身の回りでは、ガソリンや消毒用アルコール、ヘアスプレーなどが危険物に該当します。


種別 性質 具体的な物質
第1類 酸化性固体 ・塩素酸塩類
・過塩素酸塩類
・無機過酸化物
・過マンガン酸塩類
・重クロム酸塩類
第2類 可燃性固体 ・硫化りん
・赤りん
・硫黄
・鉄粉などの金属粉
・マグネシウム
・引火性固体
第3類 自然発火性物質および禁水性物質 ・カリウム
・ナトリウム
・アルキルアルミニウム
・アルキルリチウム
・黄りん
・アルカリ金属
・金属の水素化物
・りん化物
第4類 引火性液体 ・特殊引火物
・石油類(第一から第四)
・アルコール類
・動植物油類
第5類 自己反応性物質  ・有機過酸化物
・硝酸エステル類
・ニトロ化合物
・ニトロソ化合物
・アゾ化合物
・ジアゾ化合物
・ヒドラジンの誘導体
第6類 酸化性液体 ・過塩素類
・過酸化水素
・硝酸

参考:総務省消防庁「危険物とは?」


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危険物の指定数量

危険物の指定数量とは、特定の危険物を保管や管理する際に許可が必要となる数量です。消防法第十条では、指定数量以上の危険物を貯蔵所以外で保管してはならないと定めています。また指定数量未満でも、市町村条例に基づき適切な対応を施すことが必要です。

指定数量は危険物の種類によって異なり、物質の持つ危険性(爆発性・可燃性・引火性)などを勘案して設定されます。例えば危険物第5類の場合、有機過酸化物やニトロ化合物などの第一種自己反応性物質の指定数量は10kg、ニトロソ化合物やヒドロキシルアミン塩類などの第二種反応性物質は100kgです。

参考:e-GOV法令検索「消防法」

危険物第5類とは?

危険物第5類とは、固体または液体で、加水分解などの化学反応により多量の熱を発生させる、または爆発的に反応が進む物質の総称です。以下の表は、危険物第5類に該当する物質と指定数量をまとめたものです。

品名 物質名 該当する種別 指定数量
有機過酸化物 ・過酸化ベンゾイル
・メチルエチルケトンパーオキサイド
第一種自己反応性物質 10kg
硝酸エステル類 ・硝酸メチル
・硝酸エチル
・ニトログリセリン
・ニトロセルロース
ニトロ化合物 ・ピクリン酸
・トリニトロトルエン
ニトロソ化合物 ・ジニトロソペンタメチレンテトラミン 第二種自己反応性物質 100kg
アゾ化合物 ・アゾビスイソブチロニトリル
ジアゾ化合物 ・ジアゾジニトロフェノール
ヒドラジンの誘導体 ・硫酸ヒドラジン
ヒドロキシルアミン ・ヒドロキシルアミン
ヒドロキシルアミン塩類 ・硫酸ヒドロキシルアミン
その他政令で定めるもの ・アジ化ナトリウム
・硝酸グアニジン
・1-アリルオキシ-2,3-エポキシプロパン
・4-メチレン-2-オキセタノン

次章からは、危険物第5類を以下の項目から詳しく解説します。

● 特性
● 火災予防方法
● 消火方法
● 判定試験の方法

参考:危険物保安技術協会「危険物関係用語の解決(第16回)」

特性

危険物第5類は、以下の特性を有しています。

● いずれも可燃性の固体または液体
● 比重は1より大きく水に沈む
● 加熱・衝撃・摩擦により発火し、爆発する可能性がある
● 空気中に長時間放置すると分解が進み、自然発火する恐れがある
● 引火性のものがある
● 金属と反応し、爆発性の金属塩を形成するものがある

火災予防方法

危険物第5類は引火性があり、衝撃を加えると爆発する危険性があるため、以下の火災予防対策を施しましょう。

● 火気や加熱を避ける
● 通風の良好な冷暗所で保存する
● 摩擦や衝撃が加わることを避ける

いくつかある危険物第5類のうち、特に分解しやすいものもあります。こうしたものは、とりわけ湿度や室温などに注意してください。

消火方法

危険物第5類の消化は主に、大量の水により冷却する方法もしくは泡消炎剤を用いる方法が取られます。危険物の総量が少ない場合や火災の初期の段階では消火できますが、危険物の総量が多い場合の消火は困難です。

危険物第5類の分子中には酸素が含まれており、事故燃焼性があるため窒息消火は効果がありません。また爆発性と燃焼性が高く、そもそも消火自体が困難である点は注意してください。

判定試験の方法

ある物質が危険物第5類に該当するか判定する際は、まず圧力容器試験が行われます。圧力容器試験は、加熱分解の激しさを判断する試験です。特定の条件下で加熱して、破裂板が破裂するかでランク付けされます。ランク①に該当するものは第一種自己反応性物質、ランク②に該当するものは第二種自己反応性物質です。

いずれにも該当しない物質(ランク③)は、熱分析試験にかけられます。熱分析試験は、爆発の危険度を判断する試験です。物質が熱を出し始める温度と、そのときに発せられる発熱量が、標準物質を基に設定された安全基準を超えるかがボーダーラインとなります。

熱分析試験で危険性ありと判断される物質は第二種自己反応性物質に、そうでない物質は危険物第5類に該当しません。

危険物第5類の保管・運搬方法

指定数量以上の危険物第5類は、危険物貯蔵所で保管しなければなりません。しかし所轄消防長または消防署長の承認を受けた場合は、10日以内に限り仮の貯蔵所で保管可能です。

危険物を運搬する車両は、消防法上では「移動タンク貯蔵所」と定義されます。どのような車両に積んでも良いわけではなく、政令で定める技術上の基準を満たしていることが必要です。

参考:e-GOV法令検索「消防法」

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