建設副産物とは?種類や重要視される理由、処理方法を紹介!

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建設工事や解体工事では、がれき類やコンクリート塊・アスファルト塊など、さまざまな副産物が生じます。これらは建設副産物と呼ばれ、「発生量が膨大である」「発生場所が一定しない」「一部は再利用が可能である」などの点が特徴です。

本記事では、建設副産物の概要や種類、リサイクルが重要視される理由をご紹介します。記事後半では処理方法も解説するので、建設副産物の処理にお困りの方はぜひ参考にしてください。

建設副産物とは?

建設副産物とは、建設工事や解体工事に伴い副次的に生じる物品の総称です。詳しくは後述しますが、建設廃棄物や再生資源、建設発生土などが挙げられます。

建設副産物は、廃棄物処理法(正式名称:廃棄物の処理及び清掃に関する法律)や建設リサイクル法(正式名称:建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律)、資源有効利用促進法(正式名称:資源の有効な利用の促進に関する法律)などの法律により処理方法が定められ、リサイクルが促進されています。

建設副産物のリサイクル促進に役立てられるシステムが、国土交通省が開発したシステムである建設副産物情報交換システム(COBRIS:Construction Byproducts Resource Information interchange System)です。このシステムを活用すれば、インターネットを通じて建設副産物のリサイクルに関するリアルタイムの情報交換や、施設情報の検索を行えます。

建設副産物の種類

建設副産物の種類は、大きく以下の3つに分けられます。

  • 建設廃棄物
  • 再生資源
  • 建設発生土

それぞれの概要や特徴を詳しく見ていきましょう。


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建設廃棄物

建設廃棄物とは、建設工事や解体工事に伴い発生する廃棄物の総称です。大きく一般廃棄物と産業廃棄物に分類されます。

一般廃棄物には、建設工事現場から排出される生ゴミや新聞・雑誌、刈り取った草木・枝などが該当します。

建設廃棄物となる産業廃棄物は、がれき類や汚泥、木くず、廃プラスチック類、金属くず、紙くずなどです。石綿(アスベスト)やPCB(Poly Chlorinated Biphenyl:ポリ塩化ビフェニル)、揮発油を含む一部のものは、特別管理産業廃棄物に分類されます。

これらの建設廃棄物は、廃棄物処理法に基づき処理されるのが一般的です。

再生資源

再生資源とは、建設副産物のうちリサイクルや再資源化が可能なものです。有害物質が混合している場合を除き、そのままもしくは処理することで再利用できます。

また、建設発生木材、コンクリート塊、アスファルト・コンクリート塊は特定建設資材廃棄物に分類されており、建設リサイクル法により再資源化が義務付けられています。

再生資源
品目 特定建設資材廃棄物
建設発生木材
アスファルト・コンクリート塊
コンクリート塊
コンクリート及び鉄から成る建設資材 〇(鉄は取り出して有価で取引)
金属くず
ガラスくず

再生資源に分類されるものは、あくまでも再利用可能なものに限ります。上記に該当する建設副産物でも、リサイクルできないものは建設廃棄物に分類される点は把握しておきましょう。

建設発生土

建設発生土とは建設残土とも呼ばれる、建設工事や解体工事、土木工事により副次的に生じる土の総称です。土質の工学的分類や物理的特性により、第一種〜第四種建設発生土、泥土に分類されます。

建設発生土は、廃棄物処理法で規定される廃棄物には該当しません。資源有効利用促進法により指定副産物に定められており、再利用する必要があるものだと規定されています。

建設発生土と混合されがちなのが、建設汚泥です。建設汚泥とは、建設工事に関わる掘削工事により生じる泥状の掘削物と泥水のうち、廃棄物処理法により産業廃棄物に該当するものです。

両者の違いには、建設発生土は廃棄物に該当しないのに対し、建設汚泥は産業廃棄物、つまり建設廃棄物に分類される点が挙げられます。また前者は乾燥しているため比較的再利用しやすいですが、後者は水分含有量が多く再利用が困難です。建設発生土か建設汚泥か否かは、掘削工事により排出された時点で判断されます。

建設副産物を利用したリサイクルが重要視される理由

建設副産物を利用したリサイクルが重要視される理由は、以下の通りです。

  • 循環型社会の実現につながる
  • 今後も建設副産物はなくならない

それぞれの理由を解説します。

循環型社会の実現につながる

建設副産物のリサイクルを推進することは、循環型社会の実現に直結します。循環型社会とは、資源を効率的に循環させ、環境負荷を最小限に抑えた社会です。

建設副産物のリサイクルを推進し資源循環を促すと、新たな資源の採掘を減らしつつ、廃棄物の排出量を削減できます。循環型社会の実現に向けて定められたのが、国土交通省により策定された建設リサイクル推進計画2020です。

この推進計画では、以下の目標値が設定されています。

品目指標2024達成基準値
アスファルト・コンクリート塊、コンクリート塊再資源化率99%以上
建設発生木材再資源化・縮減率97%以上
建設汚泥再資源化・縮減率95%以上
建設混合廃棄物排出率3.0%以下
建設発生土有効利用率80%以上

循環型社会の実現に向けて、今後も高い水準でリサイクルや有効利用を高めていくことが求められます。

※参考:国土交通省.「建設リサイクル推進計画2020〜「質」を重視するリサイクルへ〜」 ,(入手日付2024-05-19).

今後も建設副産物はなくならない

建物の老朽化が進むと当然解体工事が増え、それに伴い建設副産物も増大するため、リサイクルがより一層重要視されています。

高度経済成長期以降に建設・整備された道路や上下水道、湾港などのインフラ施設が、建設後50年以上経過する割合は、今後加速度的に上昇するとされています。延命化や長寿命化のための対策工事が必要となるため、それに伴い大量の建設副産物が排出されることも容易に想像できるでしょう。

その排出量をなるべく削減しつつ、環境負荷も低減するためには、リサイクルが重要となるのです。

建設副産物の処理方法

建設副産物の処理方法は、以下の手順に従って進めていきましょう。

  • 再生資源・廃棄物に分ける
  • 再生資源はリサイクル・リユースする
  • 廃棄物は産業廃棄物処理業者へ委託する

それぞれの手順を詳しく解説します。

再生資源・廃棄物に分ける

まずは、再生資源と廃棄物に分けましょう。

再生資源は、原材料として利用できる可能性があるコンクリート塊、アスファルト・コンクリート塊や建設発生木材、そのまま原材料となり得る建設発生土や金属くずなどが該当します。

それ以外の建設副産物で再利用できないものや、危険なもの、石綿やPCBなどの有害物質を含むものは廃棄物となります。

再生資源はリサイクル・リユースする

再生資源は、リサイクルに回します。

コンクリートやアスファルトなどの破砕片は、再生骨材にリサイクルされ、新たなコンクリートの原料や道路の基盤材として活用されています。またアルミニウムや鉄などの金属くずは、金属回収や金属精錬などによりリサイクルが可能です。

リサイクルほど市場が盛んではないものの、一部はリユースされており、撤去工事に伴い発生した鋼材を他の現場でリユースした事例などがあります。

廃棄物は産業廃棄物処理業者へ委託する

建設副産物の中には、リサイクルや再利用が不可能な廃棄物も含まれます。こうしたものは、専門の産業廃棄物処理業者へ委託しましょう。

産業廃棄物処理業者を選ぶ際のポイントは、以下の通りです。

  • 都道府県知事から処理業許可を得ているか
  • マニフェスト作成に対応しているか
  • 行政処分歴がないか
  • 建設廃棄物の処理実績は豊富か
  • 費用は明確か
  • 優良認定制度を受けているか

上記のうち、特に処理業許可を得ているかは必ず確認しましょう。無許可で営業している業者に委託した場合、廃棄物処理法第二十五条第六号により、排出事業者に対しても5年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金、またはその両方の罪が科されるため注意してください。

※参考:e-GOV法令検索.「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」,(入手日付2024-05-19).

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