乾燥剤の捨て方は可燃ごみで大丈夫？再利用の方法も解説

湿気の多い日本では、お菓子・海苔などの食品や衣類のような、湿気に弱いものを保管する場所で乾燥剤が活躍します。しかし、いざ捨てるとなると、どのように処分したらよいのか、迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。

乾燥剤は種類によって処分方法が異なる場合があり、中には発火のリスクなどに注意すべき乾燥剤もあります。本記事では乾燥剤の種類ごとに処分方法や再利用の方法、よくある疑問について解説します。

乾燥剤は基本的に可燃ゴミで捨てられる！種類別に詳しく紹介

自治体によって異なりますが、乾燥剤は基本的に燃えるゴミとして処理できます。ただし、一部の自治体では不燃ゴミに指定しているため、お住まいの市区町村の分別ガイドブックでルールを確認しておきましょう。

乾燥剤の成分は大きく分けて、シリカゲル・塩化カルシウム・生石灰の3種類に分けられます。いずれも原則として、燃えるゴミとして処分が可能です。

ただし、中には取扱いに注意が必要な成分もあります。ここからはそれぞれの成分の特徴と、正しい処分方法を紹介していきましょう。

シリカゲル ：可燃ゴミ

乾燥剤としてよく知られているのが、シリカゲル（二酸化ケイ素）です。水色と透明のビーズ状の粒が混ざり合った乾燥剤は、多くの方が目にしたことがあるでしょう。

ビーズ状の粒には無数の小さな孔があり、毛細管現象によりスポンジのように水分を吸着します。二酸化ケイ素は毒性もなく発熱などの化学反応を起こさないため、そのまま燃えるゴミとして捨てられます。

ただし、シリカゲルを入れた袋がプラスチック類の場合は、不燃ゴミとして出すよう指定している自治体もあるため、念のため分別ガイドブックをチェックしてください。

なお、シリカゲルの粒は、水分を限界まで吸収するとピンク色に変化します。ピンク色になった粒を乾燥させると、水分が蒸発し再び乾燥剤としての機能を取り戻します。再利用する方法については後で詳しく解説します。

塩化カルシウム乾燥剤：可燃ゴミ

塩化カルシウムを主成分とする乾燥剤は、食品の湿気を防ぐために容器に入れられるだけでなく、押し入れやクローゼットの除湿シートにも使われています。

塩化カルシウムは、自らの約3〜4倍近くの湿気を吸収できる強力な乾燥剤です。吸湿能力に優れていてコストパフォーマンスもよいため、近年包装業界や梱包業界で注目されています。

塩化カルシウムは、湿気を吸収すると液体やゼリー状に変化するのが特徴です。液体となった塩化カルシウムの水溶液には、キッチンや洗面所の排水口に流せるタイプ もあります。

ただし、排水口に流せるタイプも水を流しながら捨てるようにしましょう。塩化カルシウムが流しや排水口に残ると、水道管の錆などの原因となる可能性があるためです。

塩化カルシウムを含むシートタイプの乾燥剤は、燃えるゴミとして出しても問題ありません。ただし捨てる際には、塩化カルシウムが肌に触れないよう注意して取り扱ってください。塩化カルシウムは多量の塩分を含んでおり、肌荒れを起こす可能性があるためです。

生石灰乾燥剤 ：可燃ゴミ

生石灰乾燥剤は、煎餅や海苔などの食品で多く使用されている乾燥剤です。生石灰乾燥剤の原料となっているのは酸化カルシウムで、酸化カルシウムが水分を吸収する性質を生かして除湿しています。

生石灰乾燥剤は、多くの自治体で可燃ゴミに出すことが可能です。

ただし、生石灰は水に濡れると化学反応で発熱するため、生石灰乾燥剤を可燃ゴミに出すときには取り扱いに注意してください。かなりの高温になることもあるため、置く場所や捨てる場所によっては予期せぬ火災につながる恐れもあります。

なお、使い終わった生石灰乾燥剤は、家庭菜園などの土に混ぜると土壌改良に有効利用できます。生石灰は強いアルカリ性で酸性の土壌を中和してくれるため、ガーデニングや家庭菜園をしている方は再利用してみるとよいでしょう。

乾燥剤を捨てる前に再利用の方法を解説

本記事で紹介した3種類の乾燥剤の中で再利用できないのは塩化カルシウム乾燥剤だけで、シリカゲルと生石灰の乾燥剤は再利用可能です。生石灰は酸性の土壌改良に再利用できると前述したので、ここではシリカゲル乾燥剤の再利用法を詳しく解説しましょう。

水を含んでピンク色になり吸湿効果がなくなったシリカゲルは、乾燥させると乾燥剤として再利用が可能です。乾燥させるには、以下のような方法があります。

● 電子レンジの解凍モードで少量ずつ2〜3分加熱する
● フライパンで炒る
● ネットに入れて衣類乾燥機で回転させる
● バットに並べて天日で干す

乾燥させたシリカゲルは布や紙製の袋に入れて、再び乾燥剤として使用しましょう。再利用するとゴミの削減にもつながります。

乾燥剤の捨て方に関するよくある質問

最後に、乾燥剤の捨て方に関するよくある質問に回答しましょう。

乾燥剤を捨てたら発熱する？

水分によって高熱で発熱するのは、生石灰乾燥剤です。シリカゲルと塩化カルシウムの乾燥剤は水分に触れても熱は発生しません。

なお、粉末の還元鉄が主成分で、酸素を吸収して酸化や錆の発生などを防ぐ脱酸素剤も熱をもつことがあります。ただし、一般的に脱酸素剤は発火するほどの高温にはなりません。

お菓子に入っている乾燥剤は何ゴミに捨てる？

お菓子や海苔などの食品に入っている乾燥剤は、燃えるゴミに出せます。ただし、一部の自治体では不燃ゴミとしているところもあるため、市区町村の分別ガイドブックでルールを確認しましょう。

乾燥剤は危険ですか？

生石灰は水分に触れて発熱する可能性があるため、捨てるときだけでなく子どもやペットの誤飲にも注意しましょう。口に入れると口やのど・食道が火傷する危険性もあります。

シリカゲルは消化管から吸収されないため、子どもが間違って少量口に入れても心配はありません。ただし誤飲した場合は、念のためにコップ半分くらいの水分を飲ませて様子を見てください。

乾燥剤は生ゴミと一緒に捨てても良い ？

生石灰の乾燥剤を捨てる際は、発熱を防ぐために水分が多いゴミと一緒に捨ててはいけません。水分を含む生ゴミなどと一緒に捨てる際は、小さいビニール袋に入れてから捨てるようにしましょう。その他の乾燥剤は生ゴミと一緒に捨てても問題ありません。

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