
このコラムでは、2023年上期に施行または制定された法改正のうち、産業廃棄物処理業者への影響が大きいものをピックアップしてポイントをお伝えします。
ぜひ一度ご一読ください。
目次
2023年上期のトピックス

労働安全衛生法の新たな化学物質規制 ~ 労働安全衛生規則等の一部を改正する省令
2022年5月に公布されており、2023年度より順次施行されます。
影響の大きい「ラベル表示の義務化」「化学物質管理者の専任の義務化」は2024年度から施行されます。
化学物質管理者は専門的講習の修了者でなければなりません。講習受講は混みあうことが予想されます。
対象企業は常に情報収集を行いながら確実に対応することが求められます。
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厚生労働省(https://www.mhlw.go.jp/content/11300000/001083280.pdf)
あわせて化管法(特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律:通称PRTR法)の対象物質が今年度から変わります。
第⼀種指定化学物質は462物質→515物質に。
第⼆種指定化学物質は100物質→134物質に。
また、従来の政令番号に代わり、1物質ごとに固有で対応する管理番号が付与されます。
PRTR制度では令和6年度の届出から管理番号を使⽤予定です。
経済産業省(https://www.meti.go.jp/policy/chemical_management/law/prtr/8_4.html)
労働安全衛生規則の一部改正(テールゲートリフター特別教育の義務化、昇降設備の設置)
2023年10月から(2.テールゲートリフター特別教育の義務化は2024年2月から)適用されます。
主な改正内容
1. 昇降設備の設置及び保護帽の着用が必要な貨物自動車の範囲の拡大
貨物自動車に荷を積み卸す作業を行うときに、昇降設備の設置や保護帽の着用が義務付けられる貨物自動車の範囲が、最大積載量2トン以上の貨物自動車となります。(改正前は最大積載量5トン以上)
ただし、最大積載量が2トン以上5トン未満の貨物自動車で保護帽の着用が義務づけられるのは、あおりのない荷台を有する貨物自動車、平ボディ車、ウイング車など、荷台の側面が開放できるものや、テールゲートリフターが設置されている貨物自動車で、テールゲートリフターを使用するときに限られます。2. テールゲートリフターを使用して荷を積み卸す作業への特別教育の義務化
貨物自動車に設置されているテールゲートリフターを使用して荷を積み卸す作業におけるテールゲートリフターの操作の業務が、労働安全衛生法第59条第3項に基づく特別教育の対象となります。令和6年2月1日以降は、以下のカリキュラムによる特別教育を受けた者でなければ、テールゲートリフターを使用した荷役作業を行うことができなくなります。【特別教育のカリキュラム】
実技教育
科目 範囲 時間 テールゲートリフターに関する知識 テールゲートリフターの種類、構造及び取扱い方法 テールゲートリフターの点検及び整備の方法 1.5時間 テールゲートリフターによる作業に関する知識 荷の種類及び取扱い方法 台車の種類、構造及び取扱い方法 保護具の着用 災害防止 2時間 関係法令 法令及び安衛則中の関係条項 0.5時間
テールゲートリフターの操作の方法について、2時間以上3. 運転位置から離れる場合の措置の一部改正
走行の運転位置とテールゲートリフターの運転位置が異なる貨物自動車で、原動機を停止するとテールゲートリフターが動かせなくなるものは、運転者が運転位置を離れるときの原動機停止義務とテールゲートリフターを最低降下位置に置く義務が適用されなくなります。ただし、ブレーキを確実にかけるなどの逸走防止措置が必要です。
陸災防(http://rikusai.or.jp/measures/niyakuboushi/#kisoku)
詳細はこちら
全日本トラック協会(https://jta.or.jp/wp-content/uploads/2023/04/jta20230406kisoku_kaisei.pdf)
働き方改革関連 ~ 自動車運転業務の時間外労働の上限規制
2019年4月より順次施行されてきた働き方改革関連法案、2023年4月からは月60時間超残業に対する割増賃金率引上(25%⇒50%)が中小企業にも適用されています。
2024年4月からは、時間外労働の上限規制が自動車運転業務にも適用され、上限時間は一律で年960時間となります。
・上限時間は、自動車運転業務従事者(ドライバー)と事務員・運行管理者で異なるため、注意が必要です。
・時間外労働を行うには36協定を締結する必要があり、原則は月45時間、年360時間以内です。
年960時間は、特別条項において臨時的に認められる上限という位置付けです。
特別条項を適用する労働者に対する健康福祉確保措置について協定で定めることも必要となります。
あわせて拘束時間等を定める『自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(改善基準告示)』も改正され、2024年4月1日から適用されます。
廃棄物収集運搬業を含む、運送・物流業界では、この上限規制への対応やドライバーの残業代減少への対応は、2024年問題としてクローズアップされてきました。いよいよ施行まで1年を切ったことになります。
対応の成否が死活問題に発展しかねませんので、しっかりと準備を進めましょう。
インボイス制度への対応 ~ 適格請求書発行事業者の登録
2023年10月より、インボイス制度が導入され、インボイス(適格請求書)の発行・保存がない要件の請求書において消費税の仕入額控除が受けられなくなります。取引先との調整やシステム整備が必要となるため既に準備を進められているものと思います。インボイス制度の概要については、次のとおりとなります。(国税庁)
適格請求書(インボイス)とは、
売手が買手に対して、正確な適用税率や消費税額等を伝えるものです。
具体的には、現行の「区分記載請求書」に「登録番号」、「適用税率」及び「消費税額等」の記載が追加された書類やデータをいいます。
<売手側>
売手である登録事業者は、買手である取引相手(課税事業者)から求められたときは、インボイスを交付しなければなりません(また、交付したインボイスの写しを保存しておく必要があります)。
<買手側>
買手は仕入税額控除の適用を受けるために、原則として、取引相手(売手)である登録事業者から交付を受けたインボイス(※)の保存等が必要となります。
(※)買手は、自らが作成した仕入明細書等のうち、一定の事項(インボイスに記載が必要な事項)が記載され取引相手の確認を受けたものを保存することで、仕入税額控除の適用を受けることもできます。
国税庁 インボイス制度の概要(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/invoice_about.htm)

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