
電子マニフェストは、オンライン上でいつでもマニフェストの情報を報告・管理できる利便性の高いシステムです。スマートフォンやパソコンを使うと、簡単な操作で産業廃棄物の処理状況が把握できます。
ただし排出事業者、収集運搬業者、処理業者の3者が情報を共有するため、紙の書類が必要となる場合もあります。それが受渡確認票(産業廃棄物送り状)と呼ばれる書類です。ではなぜ受渡確認票が必要になるのでしょうか。
本記事では受渡確認票が必要な理由や実際の記入例、保管義務の有無、注意点などを解説します。電子マニフェストの受渡確認票について詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
電子マニフェスト利用時に受渡確認票が必要になる2つの理由
受渡確認票は、円滑に電子マニフェストを運用するための補助的な役割を果たす伝票です。産業廃棄物送り状とも呼ばれます。受渡確認票は任意の伝票で、法律で義務付けられているものではありません。
それではなぜ受渡確認票が必要になってくるのでしょうか。まずは電子マニフェストの運用時に受渡確認票が必要となる2つの理由について解説します。

マニフェスト情報を共有するため
受渡確認票の作成が必要な理由の一つは、マニフェストに記載される廃棄物の種類・数量などの情報を排出事業者・収集運搬業者・処分業者の3者で共有するためです。
紙のマニフェストでは排出事業者が処理業者(収集運搬業者・処分業者)と実際に伝票をやり取りして、廃棄物の処理を進めます。一方、電子マニフェストでは3者が情報処理センターを介したネットワーク上でやり取りします。
処理業者が直接、排出事業者から伝票を受け取るわけでないため、処理業者は排出事業者によって登録された情報をオンライン上で照会しなければなりません。照会のために利用されるのが受取確認票です。受渡確認表には予約登録に関する内容が記載されています。
予約登録とは廃棄物の排出前の段階で、処理業者などの情報を入力しておくことです。予約登録により排出事業者は、事前に処理業者と情報を共有できるようになります。
産業廃棄物の運搬時に書面の携行が義務付けられているため
産業廃棄物の収集運搬を行う場合、収集運搬業者は以下に挙げる内容が分かる書面の携帯が廃棄物処理法施行規則(第7条の2の2)によって義務付けられています。
- 運搬する廃棄物の種類および数量
- 運搬を委託した排出事業者の名称
- 運搬する廃棄物を積載した日
- 積載した事業場の名称、所在地、連絡先
- 運搬先の事業場の名称、所在地、連絡先
紙マニフェストの場合は上記の内容が書面に記載されていますが、電子マニフェストを利用している場合は、以下の方法で提示する必要があります。
- 事前に必要な内容が記載された受渡確認票を紙に印刷しておいて提示する
- スマートフォンやタブレットなどによって受渡確認表の情報を提示する
書面を提示できない場合、運搬基準を満たさないことになってしまうため注意が必要です。
※参考:e-Gov法令検索.「廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則」(入手日付2023-09-29).
電子マニフェスト利用時の受渡確認票の記載例・見本
受渡確認票は法律で定められたものでないため、特定のフォーマットはありません。ただし、「誰が」「何を」「誰に」「いつ」「どこへ」の5つの情報は記載しておく必要があります。それぞれに以下の事項を記載しましょう。
- 誰が:運搬を委託した排出事業者の名称
- 何を:運搬する廃棄物の種類および数量
- 誰に:収集運搬業者の名称、所在地、連絡先
- いつ:運搬する廃棄物を積載した日
- どこに:運搬先の処分場の名称、所在地、連絡先
上記の5つの情報が記載されていれば、運用しやすいようなフォーマットに変えても、受渡確認票として有効です。
なお、記入例を確認したい場合、公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センター(JWNET)の公式サイトで受渡確認票サンプルをダウンロードできます。
電子マニフェストの受渡確認票の保管
法律上は受渡確認票を保管しておく義務はありません。ただし、マニフェストの運用について何か問題が発生した場合などに、受渡確認票を確かめる必要が出てくる可能性もあります。
そのため受渡確認票は、保管しておくのがおすすめです。紙マニフェストの保管期間は5年と決められているので、受渡確認票も同じように5年間は保管するようにしておくとよいでしょう。
電子マニフェスト受渡確認票の注意点
電子マニフェストを利用する際は、受渡確認票を印刷しておくか、電子機器で提示できるようにしておきましょう。またそれ以外にも以下のような点に注意してください。
携行書類の確認
電子マニフェストで運用する場合、収集運搬車両には受渡確認票などの書類を携行する必要があります。またそれだけでなく、以下の書面の備え付けも必要です。
- 収集運搬業の許可証のコピー(写し)
- 電子マニフェストの加入証のコピー(写し)
特に加入証のコピーは携帯を忘れやすいものです。「受渡確認票などの書類」「許可証の写し」「加入証の写し」の3点がそろっていることを確認しておきましょう。
必要な書類を携帯していない場合には、改善命令などの行政命令の対象となります。さらに行政命令に違反すると、刑事罰を受けることになるため注意が必要です。
また携行書類ではありませんが、収集運搬する車両は、両側面にその旨を表示しなくてはなりません。収集運搬業者の場合は、業者名と許可番号下6桁も表示しておきましょう。
※参考:環境省「書類の携帯義務について」(入手日付2023-09-29).
電子マニフェストの受渡確認票に関するよくある質問
ここからは電子マニフェストの受渡確認票に関する、よくある質問とその回答をご紹介します。
受渡確認票とは?
受渡確認票とは電子マニフェスト運用を円滑にするための補助伝票として、全国産業資源循環連合会のマニフェスト推進委員会が作成したものです。
受渡確認票を作成するのは、産業廃棄物の種類・数量などの情報を共有するためであり、運搬時の携帯義務を守るためです。
受渡確認票は印刷できる?
受渡確認票は一般的なコピー用紙などに印刷できます。紙に印刷しなくてもスマートフォンやタブレットなどに電子情報を提示できる状態にしておいても構いません。
電子マニフェストにおけるE票とは?
紙マニフェストのE票は、最終処分が完了したことを報告するため、処分業者から排出事業者に返送される伝票です。
電子マニフェストの場合、処分業者から「最終処分終了報告通知」がなされることで、排出事業者は最終処分が終わったことを確認できます。また「マニフェスト情報の照会」で登録しているマニフェスト情報を呼び出して、「照会結果一覧」をチェックしても終了報告の有無の確認が可能です。
電子マニフェストならDXE Station
収集運搬業者・処分業者の方で「排出事業者がマニフェスト登録をなかなかしてくれない……」や「マニフェスト起票時のミスが多い……」といった悩みを持つご担当者の方はいませんか?
DXE Stationをご利用いただくと代行起票機能で、排出事業者の登録を待たずにJWNETへ予約登録することができ、電子化を推進できます。
また、かんたん受注登録機能で、廃棄物に関するすべての受注をクラウドで一元管理することが可能です。
「排出事業者に登録を催促するのはもうイヤ……」、「紙マニフェストから解放されたい!」という方の「産廃業務のDX化」をDXE株式会社が支援します。
収集運搬業者・処分業者向け事務業務軽減サービス「DXE Station」の詳しい機能・料金プランを見てみる

収運業者のお客様向け

収運・処分業者のお客様向け

収運業者と処分業者をワークフローでつなぐ
クラウドで収集運搬から
処分完了までの業務を一元化!
搬入予定の確認や、
二次マニフェストの
紐づけが簡単に!