
産業廃棄物を処分するためにはマニフェストが欠かせません。
産業廃棄物のマニフェスト伝票は交付、受け取るだけではなく、保管義務があります。
本記事では、マニフェストの保管期間やマニフェストを紛失してしまった場合の対応などについて詳しく解説します。
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産業廃棄物マニフェスト伝票の保管期間
産業廃棄物のマニフェスト伝票は交付もしくは受け取った日から5年間の保管義務があります。一般的にマニフェスト伝票はA票からE票までの7枚の複写式になっていて、A票は排出事業者が交付した日から5年、B1票~E票は各事業者が受け取った日から5年間保管します。
なお排出事業者、収集運搬業者、処分業者といった業者ごとに保管するマニフェスト伝票は異なるため、注意が必要です。
中間処理会社が最終処分業者に委託するマニフェスト(二次マニフェスト)を含め、各業者がマニフェスト伝票は次の通りに保管します。
事業者 | 保管する票 |
---|---|
排出事業者 | A票、B2票、D票、E票 |
収集運搬業者 | B1票、C2票 |
処分受託者である中間処理業者 | C1票 |
処分委託者である中間処理業者 | A票、B2票、D票、E票 |
最終処分業者 | C1票 |
保管を怠ると罰則が科せられる
マニフェスト伝票は保管義務があるにもかかわらず、保管を怠ってしまうと罰則が科せられてしまいます。
保管義務を違反した場合、1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金が科せられるため、保管期間を正しく把握して法令を遵守しましょう。(※)
※出典:公益財団法人 日本産業廃棄物処理振興センター「措置命令と罰則」.
https://www.jwnet.or.jp/jwnet/about/system/action/index.html,(入手日付2023-02-13).

マニフェスト伝票を紛失してしまった場合
マニフェスト伝票は紙のため、正しく管理していないと紛失してしまう可能性があります。
マニフェスト伝票を紛失してしまった場合、他の事業者が保管しているマニフェストの写しを保管することで対応可能です。次のように紛失したマニフェスト伝票に応じて代用できる伝票は異なります。
紛失したマニフェスト伝票 | 代用できるマニフェスト伝票 |
---|---|
A票 | 収集運搬業者の控えであるB1票のコピー |
B2票 | B1票のコピー |
D票 | 処分業者の控えであるC1票のコピー |
E票 | C1票のコピー |
なおB1票のコピー、C1票のコピーを使用する際は次の項目が記載されているかを確認しておきましょう。
● B1票のコピー:収集運搬業者の会社名、運搬担当者名、運搬終了日
● C1票のコピー(D票の代用とした場合):処分業者の会社名・運搬担当者名・処分終了日
● C1票のコピー(E票の代用とした場合):処分業者の会社名・運搬担当者名・処分終了日・最終処分を行った場所と所在地
マニフェスト伝票は再交付しない
マニフェスト伝票を紛失してしまったとしても、原則再交付は認められていません。再交付すると、1つの産業廃棄物処理に2つのマニフェスト伝票が存在することになってしまいます。また紛失したマニフェスト伝票を破棄することになるため、保管義務違反にあたってしまう可能性もあります。
そのためマニフェスト伝票を紛失してしまったら再交付はせずに、コピーで代用するようにしましょう。
マニフェスト伝票の保管方法
マニフェスト伝票を紛失しないためにも適切な方法での保管が必要です。一般的にマニフェスト伝票はバインダーにまとめる、表紙を作って月ごとに紐でまとめるといった方法で保管されることが多いです。
また、オフィス用品としてマニフェスト伝票専用のファイルも販売されています。
バインダーや紐、ファイルでまとめたマニフェスト伝票は、年単位で保管しておくことで探しやすくなるでしょう。
またマニフェスト伝票を誰もが閲覧できる状態にしておくのではなく、管理担当者を設けて限られた従業員だけがマニフェスト伝票を閲覧できる状態にすることで紛失リスクの軽減が期待できます。
電子マニフェストがおすすめ
マニフェストには紙マニフェストの他に電子マニフェストがあります。そしてマニフェスト伝票の保管義務があるのは紙マニフェストのみで、電子マニフェストには保管義務はありません。
電子マニフェストとは、電子化したマニフェスト情報を公益財団法人 日本産業廃棄物処理振興センター(JWセンター)が運営するJWNETを介してやり取りします。電子化されたマニフェストは、各業者に代わってJWセンターが5年間保管してくれるため、業者がマニフェストを保管する負担の軽減が可能です。
保管スペースが確保できる
紙マニフェストは5年間の保管義務があるため、保管に関する業務や保管スペースが発生してしまいます。
場合によっては紙マニフェストを保管するために、オフィスとは別に保管スペースを確保する必要があります。
このような状態に対して電子マニフェストを導入することで、保管スペースを削減してオフィスの省スペース化が実現可能です。
また紙マニフェストでかかっていた郵送費用も、電子マニフェストを導入することで削減できます。
マニフェストの紛失を防止できる
電子マニフェストの導入によって、マニフェストの紛失防止につながります。紙マニフェストでは管理が煩雑になってしまい、過去のマニフェストを紛失してしまう可能性があります。また紛失したマニフェストが外部に漏えいしてしまうと、信用が落ちてしまう可能性も。
その反面、電子マニフェストはJWNETに過去のデータが保管されているため、紛失のリスクはありません。
検索性に優れている
紙マニフェストで過去のマニフェストを調べようとすると、膨大な資料の中から該当するものを探し出す必要があります。また、正しく保管されていないと必要なマニフェストを探し出せない可能性も考えられます。
一方で電子マニフェストであれば必要な情報を必要なタイミングでスピーディに検索してダウンロード可能です。
マニフェスト伝票の交付状況の報告が不要
紙マニフェストは5年間の保存にくわえて、産業廃棄物を排出した事業所を管轄する自治体に年に1回、マニフェスト伝票の交付状況について報告する義務があります。
対して電子マニフェストは5年間の保存だけでなく、報告の義務もありません。電子マニフェストではJWセンターが排出事業者に代わって、自治体にマニフェスト伝票の交付状況について報告します。
不正が防止できる
電子マニフェストは、排出事業者、収集運搬業者、処分業者が互いにマニフェストを閲覧できます。
そのため、データを書き換えるといった不正の防止につながります。
また電子マニフェストでは記入事項がシステムで管理されるため、記入ミスも防止可能です。
マニフェストに虚偽の記載をしてしまうと、1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金が科せられてしまいます。
電子マニフェストで書き換えや記載ミスを防ぐことで法令を遵守した運用が可能です。
電子マニフェストで業務を効率化しよう
「紙の保存や行政報告から解放されたい」しかし、「JWNETの操作は自信がない…」という排出事業者のみなさん、また、そういったお客様をお持ちの収運会社のみなさん。
収運会社にDXE Stationを使って代行起票頂くことが最善の方法だと思います。
DXEシステムは関係者すべての業務効率化につながります。また、産廃業務に精通したスタッフがサポートします。

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