RCFとは?特徴から危険性、処理方法まで解説!

RCFとは?特徴から危険性、処理方法まで解説!

RCF(Refractory Ceramic Fiber:リフラクトリーセラミックファイバー)とは、優れた耐火性と熱伝導性があり、窯炉やオーブン、輸送用機械など工業分野でよく使用されています。

RCFは特別管理物質に該当するため、製造や取り扱い作業時は安全対策を講じる必要があります。併せてRCF規制の概要の把握も欠かせません。

そこで本記事では、RCFの概要や特徴、危険性、安全性を解説します。記事後半では、RFCの処分方法や知っておきたいRCF規制もご紹介するので、ぜひ参考にしてください。

RCF(Refractory Ceramic Fiber)とは?

RCF(Refractory Ceramic Fiber:リフラクトリーセラミックファイバー)とは、アルミナとシリカを主成分とする非晶質の人造鉱物繊維です。高温耐火断熱材の一種であり、主に以下のような用途があります。

  • 炉壁の耐火材・断熱材
  • 窯炉の天井
  • 充填剤
  • 恒温槽やオーブン(高温環境下)
  • 自動車や船舶などの輸送用機械
  • 建材

アスベストの代用品として広く使用されており、熱に強いという特性から特に高温環境での断熱材に利用されています。しかし危険性も示唆されており、新たに導入されたRCF規制に基づき、取り扱いや作業時は安全対策が必須です。

なお事業活動に伴い発生したRCFは、産業廃棄物となります。廃棄物処理法(廃棄物の処理及び清掃に関する法律)上の区分は、「ガラスくず、コンクリートくずおよび陶磁器くず」です。

RCFの特徴

RCFには、以下に挙げる特徴があります。

  • 耐火性:熱膨張係数が低いため、高温環境下でも安定性を保てる
  • 熱伝導性:熱伝導性が低く、高温でも熱を効果的に遮断する
  • 軽量性:軽量素材のため、設置や加工が容易で利便性が高い
  • 低熱容量:加熱および冷却のプロセスを迅速に行える

RCFの危険性

RCFには発がん性がある可能性があり、IARC(International Agency for Research on Cancer:国際がん研究機関)により「ヒトに対する発癌性が疑われる」グループ2Bに分類されています。

人への危険性が完全に証明されているわけではありませんが、大量のRCFを吸入すると肺の線維化や肺がんの発症リスクがあるため、取り扱いには注意が必要です。粉じんを吸引しないよう換気装置を設置したり、健康診断を受けたりなどの対策が求められます。

RCFの安全性

先述した通り、RCFはIARCのグループ2Bに分類されます。人体への危険性が証明はされていないため、グループ1に分類されるアスベストなどと比較すると発がん性のリスクは低いと考えられるでしょう。アスベストと異なり、廃棄物処理法(廃棄物の処理及び清掃に関する法律)による規制もありません。

RCFの処分方法

RCFは、溶融処理を行い無害化した後、埋め立てにより処理されます。溶融処理とは、スクラップを電気炉に投入する際に廃棄物も投入し、高温で溶融させることで無害化する方法です。この処理を実施した後、管理型最終処分場などで埋め立てられます。

RCFは飛散する可能性があるので、安易に破砕処理を実施してしまわないよう注意が必要です。産業廃棄物処理業者に依頼する際は、RCFの処分実績が豊富か、適切な処分が行われているかなどを確認しましょう。

知っておきたいRCF規制について

発がん性の高い天然鉱物繊維である石綿(アスベスト)の代替材料となるRCFですが、繊維径が小さく、発がんの可能性があるため取り扱いには十分な注意が必要です。労働者の健康障害防止対策を強化することを目的として、RCF規制が導入されているので、RCFを使った作業に関わる場合は内容を把握しておきましょう。

RCF規制とは、「労働安全衛生法施行令」「労働安全衛生規則」「特定化学物質障害予防規則」を改訂した内容を指します。この改訂により、RCFは特定化学物質の第2類物質に位置づけられ、健康障害を発生させるリスクが高い特別管理物質へとなっています。

この改訂により、RCFには以下の措置が必要です。

規制内容 詳細
容器・包装への表示 RCFを含む製品の容器や包装に、名称・成分・人体への影響・安全性などを表示する
安全データシート(SDS)の交付 成分やRCFの含有量、人体に及ぼす影響、危険性、有害性を記載したSDSを交付する
発散抑制処置 局所排気装置やプッシュプル型換気装置を設置する
作業主任者 「特定化学物質及び四アルキル鉛等作業者主任者技能講習」の受講者から作業主任者を選定する
作業の管理 RCFの粉じん吸入を防止するための呼吸用保護具、作業衣を着用する
作業環境測定 6カ月ごとに作業環境測定士による作業環境測定を実施し、その記録を30年間保存する
健康診断 6カ月ごとに健康診断を実施し、その結果を30年間保存する

これらの規制により、RCFを取り扱う企業は労働者の安全と健康を確保するために、適切な対策を講じることが求められます。こうした規制を受け、RCFの代替品としてより人体への安全性が高いアルカリアースシリケートウール(AES)なども使用されるようになりつつあります。

※参考:厚生労働省「ナフタレンとリフラクトリーセラミックファイバー について健康障害防止措置が義務づけられます」(入手日付2024-06-23).

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