破砕ごみとは?分類されるもの・されないものの例や処分時の注意点など紹介

破砕ごみとは?分類されるもの・されないものの例や処分時の注意点など紹介

生産活動や消費活動に伴いさまざまなごみ(廃棄物)が排出されます。ごみは、可燃ごみや不燃ごみ、有害ごみ、資源ごみ、粗大ごみなどに大別されますが意外と知られていないのが、破砕ごみです。

ごみを正しく処分し環境負荷を低減させ、限りある資源を有効活用するためには破砕ごみへの理解も深めておく必要があります。

そこで本記事では、破砕ごみの概要や分類されるもの・されないものの具体例をご紹介します。記事後半では、破砕ごみを処分する際の注意点や、分別に迷うごみの例も解説するので、破砕ごみの処理にお悩みの方はぜひ参考にしてください。

そもそも破砕処理とは?

破砕ごみの詳細を見ていく前に、まずは破砕処理について理解を深めましょう。

破砕処理とは、廃棄物の容積を小さくするために細かく砕く処理です。排出事業者から出された産業廃棄物は、収集運搬され中間処理が施された後、最終処分されます。中間処理施設に運ばれた産業廃棄物は、廃棄物の量を可能な限り小さくするために、そしてリサイクル可能な資源を有効活用するために破砕処理にかけられます。

破砕により細かくされた廃棄物は、リサイクルに適したものは選別され、それ以外は焼却や溶融処理などのステップへと進められます。

破砕処理は、廃棄物のサイズをコンパクトにできる他、収集運搬・保管にかかるコストを削減できたり、貴重な資源を分類できたりなどのメリットがあります。
一般的には、ハンマー式破砕機や一軸・二軸破砕機、クラッシャーなどの道具が用いられます。


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破砕ごみとは?

破砕ごみとは、一定の基準に基づき分類された特定の廃棄物の総称です。これには主に、再資源化やリサイクルが困難な材質でできた、小型の家庭用品や壊れた電気製品などが含まれます。各自治体によって破砕ごみの定義は異なりますが、一般的には以下に挙げる特徴があります。

  • 1人で持ち運ぶことができる
  • 一番長い辺または直径が1m未満
  • 可燃ごみ・資源ごみ・有害ごみ以外の硬いもの

破砕ごみは、まず資源として再利用可能なものが選別され、回収されます。選別された資源、例えばアルミやスチールなどは再資源化のために再利用されますが、リサイクルが困難な材質・状態の木くずやプラスチック類は焼却施設にて処理され、不燃性のものは埋め立てられます。

なおここで述べたのは、あくまでも一般論です。自治体によって破砕ごみの定義やごみ出しルール、処分方法などは異なるので、詳細は担当部署に確認してください。

破砕ごみに分類されるもの

破砕ごみに分類されるものの例には、以下が挙げられます。

  • プラマークが付いていない硬いプラスチック
  • ガラス・陶器
  • 一人で持てる1m以下の家具
  • 異素材の混合物
  • 棒状・板状の物
  • 長さ50センチ未満の竹
  • 小型の家電製品

それぞれのごみを詳しく見ていきましょう。

プラマークが付いていない硬いプラスチック

プラマークとは、飲料・種類・特定調味料用ペットボトルを除くプラスチック製の容器包装に表示される識別マークです。資源有効利用促進法(資源の有効な利用の促進に関する法律)により、表示が義務付けられています。

プラマークが付いていない硬いプラスチックは、破砕ごみに該当します。例えば、クーラーボックスやCD、プラスチックバケツなどです。

ガラス・陶器

ガラス・陶器は破砕ごみの一種です。以下が該当します。

  • 割れたびん(資源ごみではない)
  • ガラス製品
  • 植木鉢
  • 耐熱性ガラスびん(哺乳びん・保存びん)

一人で持てる1m以下の家具

一人で持てる1m以下の家具も、破砕ごみに分類されます。具体的には、以下の通りです。

  • 本棚
  • タンス
  • カラーボックス
  • イス
  • 座卓
  • テーブル
  • 傘立て
  • お風呂のすのこ

これ以上大きく一人で持ち運びできないような家具、例えばベッドやソファ、冷蔵庫・洗濯機などの大型家電などは、一般的には粗大ごみです。有料で戸別収集などが実施されています。

異素材の混合物

プラスチックや金属、木、ガラスなどさまざまな素材からできている混合物は破砕ごみとして処理します。こうしたものには、以下が挙げられます。

  • メガネ
  • T字かみそり
  • ベビーカー
  • かばん・ランドセル
  • スーツケース
  • ボールペン
  • ヘルメット
  • ガステーブル
  • 鍋・フライパン

棒状・板状の物

破砕ごみに分類される棒状・板状の物には、以下が挙げられます。

  • すだれ・よしず
  • ブラインド
  • ほうき
  • スキー板・スノーボード・スキーストック
  • サーフボード
  • 物干し竿

すだれやよしず、ブラインドなど軽やかで動きのある形状のものは、縛って棒状にして破砕ごみに出してください。なお自治体によっては、長さの制限が設けられていることもあるので、詳細は自治体に確認しましょう。

長さ50センチ未満の竹

長さが50センチ未満の竹は、複数本を縛ってまとめて破砕ごみに出すことができます。

長さに制限がある場合があり、50センチを超えるものは有料で戸別収集となったり、束の太さの上限があったりするケースもあるので、具体的な内容は管轄の地方自治体に直接問い合わせてみてください。

小型の家電製品

以下に挙げる小型の家電製品は、破砕ごみに出せます。

  • トースター
  • ドライヤー
  • 掃除機
  • 電子レンジ
  • 電気シェーバー
  • ゲーム機

破砕ごみに分類されないもの

以下に挙げるものは、破砕ごみに分類されません。

  • 可燃ごみ
  • 資源ごみ
  • 有害ごみ
  • 戸別有料収集の対象となっている粗大ごみ
  • 家電リサイクル法の対象家電

それぞれどのように処理されるのかを詳しくご紹介します。なお細かい取り決めやルールは自治体によって異なるので、詳細は確認してみてください。

可燃ごみ

可燃ごみと破砕ごみは、異なるカテゴリに分類されるため、分けて処理されます。

可燃ごみとは、焼却処理されるごみのカテゴリで「燃えるごみ」「燃やせるごみ」などとも呼ばれます。具体的には、生ごみや木くず、紙くず、繊維や革製品、食用廃油などです。

資源ごみ

資源ごみとは、再利用やリサイクルが可能な廃棄物の総称です。紙製品やびん・缶、金属、布・繊維類、プラスチック製品などが含まれます。具体的には、以下が挙げられます。

  • 紙製品:飲み物のパック、包装紙、段ボール、新聞紙
  • びん・缶:飲料用・食品用・化粧品用の空きびん、空き缶
  • 金属類:アルミホイル、使い捨てカイロ、傘など
  • 布・繊維類:衣類全般、カーテン、タオル、ハンカチなど
  • プラスチック製品:ペットボトル、ラップ類、食品トレーなど

有害ごみ

有害ごみとは、適切に処理しないと健康や生活環境に悪影響を及ぼすごみです。水銀や鉛などの重金属や、化学物質が含まれています。

有害ごみは具体的に、乾電池やボタン電池、水銀体温計、スプレー缶、カセットボンベ、ライターなどが挙げられます。

戸別有料収集の対象となっている粗大ごみ

戸別有料収集の対象となっている粗大ごみも、破砕ごみと分別しなければなりません。複数人でないと持ち運べない大型のタンスや机、テーブル、ベッド、ソファなどが該当します。

粗大ごみを戸別回収してもらうには、予約が必要です。予約方法や回収方法は自治体により異なるので、各地域のガイドラインを参照してください。

家電リサイクル法の対象家電

家電リサイクル法(特定家庭用機器再商品化法)とは、エアコン、テレビ(ブラウン管・プラズマ・液晶)、冷蔵庫(冷凍庫含む)、洗濯機・衣類乾燥機などの家電4品目を適切にリサイクルすることを目的とした法律です。これらの家電は、家電リサイクル法によりリサイクルが推進されています。小型であってもこれらに該当する場合は、製造メーカーや自治体に問い合わせて引き取りを依頼しましょう。

破砕ごみを処分する際の注意点

破砕ごみを処分する際は、以下のポイントに注意してください。

  • 1m以下の大きさにする
  • 細々したものは袋にまとめる
  • 割れ物は細かく割って梱包する
  • 容器の中身は使い切る

それぞれの注意点を詳しく解説します。

1m以下の大きさにする

破砕ごみに出す場合、対象物は1m以下の大きさにしてください。これ以上のものは、粗大ごみとして処理する必要があるケースがあります。

例えば香川県高松市では、三辺がそれぞれ1メートル×50センチメートル×50センチメートル以内のものが破砕ごみ、それ以上のものは粗大ごみとなります(※)。

上限を超えそうなものは、折りたたんだりカットしたりして調整しましょう。長さだけでなく重さにも制限がある自治体もあるので、破砕ごみと粗大ごみの区別方法はしっかりチェックしておいてください。

※参考:高松市「破砕ごみ(燃やせないごみ)」 (入手日付2024-04-19)

細々したものは袋にまとめる

破砕ごみに出す場合、細々としたものは袋にまとめましょう。

なぜなら破砕ごみの中には、細かく飛散するとけがにつながるものがあるためです。細かくて壊れやすいアイテム、例えばガラス・陶器製品などは特に取り扱いに注意してください。

透明または半透明のごみ袋に入れ、外から中を確認できる状態にして出しましょう。

割れ物は細かく割って梱包する

ガラスや陶磁器など割れやすい性質の破砕ごみは、細心の注意を払って処理してください。こうした割れ物は、あらかじめ細かく割って梱包するとよいでしょう。

袋ではなく箱に入れて梱包することで、破けるリスクを抑えられます。実際に破砕ごみに出す際は、新聞紙で包みガムテープを巻くと、より安全に廃棄できるでしょう。

容器の中身は使い切る

容器に残留物があると、思わぬトラブルに発展するリスクがあるため、必ず容器の中身は使い切るようにしましょう。

例えば、スプレー缶に内容物がまだ残っている場合、火災や爆発の危険性があります。穴空き機を使って中身を出し切る、噴射し続けて完全になくなるまで使用する、紙類に吸わせるなどの対策を行ってください。

スプレー缶だけでなく、油分を含む液体物が入ったびんやライターなども必ず中身を空にしましょう。

分別に迷うごみの例

基本的に自治体に出すごみの種類は、可燃ごみ・不燃ごみ・資源ごみ・破砕ごみ・粗大ごみに分けられます。これらの分別方法は自治体でルールが決められていますが、中には分かりづらいものもあるでしょう。

分別に迷うごみの例を以下に挙げるので、参考にしてください。

  • カーテン:資源ごみ(衣類・布類)
  • 温度計(水銀以外):不燃ごみ・破砕ごみ
  • 水銀温度計:有害ごみ
  • ろうそく:可燃ごみ
  • 汚物の付いた紙おむつ:汚物をトイレに流し可燃ごみ
  • 食品カップ(プラスチック製):容器を洗い資源ごみ
  • 使い捨てカイロ:可燃ごみ・不燃ごみ

細かい区分は自治体によって異なるので、あいまいな場合は問い合わせて確認してみてください。

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