安定型産業廃棄物とは?分類や品目の具体例・最終処分場を解説

安定型産業廃棄物とは?分類や品目の具体例・最終処分場を解説

正しい分別のためにも、産業廃棄物の種類を知っておくことは大切です。本記事では産業廃棄物の種類の一つ、「安定型産業廃棄物」について解説します。

安定型産業廃棄物とは、どのようなものを指すのか。概要や詳しい品目、処理方法なども詳しく紹介します。排出事業者の方はもちろん収集運搬業者・処分業者の方も参考にしてみてください。

安定型産業廃棄物とは

「安定型産業廃棄物」 とは、有害物質や有機物などが付着しておらず、性状などが変化せず、安定した状態を維持できる産業廃棄物のことです。具体的には「廃プラスチック類」「ゴムくず」「金属くず」「ガラスくず・コンクリートくずおよび陶磁器くず」「がれき類」の5品目を安定型産業廃棄物と呼ぶと、廃棄物処理法施行令で定められています(※)。

これら5品目は性質・状態が安定しており、雨水や地下水などにさらされても性質・状態がほとんど変化しないため、「安定5品目」とも呼ばれています。

埋めても腐敗・溶出・分解の恐れがないため、地下水が汚染されたり、ガスが発生したりしません。生活・環境に悪影響を与えにくい廃棄物といえます。

なお、安定型産業廃棄物に当てはまらないものは「管理型産業廃棄物」、毒性や爆発性などの危険性がある廃棄物は「特別管理産業廃棄物」として扱います。

※参考:e-Gov法令検索. 「廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令第6条の3のイ」. (入手日付2023-07-27)


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安定型混合廃棄物との違い

「混合廃棄物」とは複数の種類が混在して、分別が難しい廃棄物の総称です。例えば事務椅子は金属・プラスチック・合皮などが一体化しています。事務椅子を処分するときは、金属やプラスチックの混合廃棄物として扱います。

「安定型混合廃棄物」は「廃プラスチック類」「ゴムくず」「金属くず」「ガラスくず・コンクリートくずおよび陶磁器くず」「がれき類」の安定5品目だけで構成された混合廃棄物のことです。安定5品目の他に一つでも異なる物質が入っていると、安定型混合廃棄物には該当しません。

安定型産業廃棄物の分類・安定型品目

安定した状態を維持できる「廃プラスチック類」「ゴムくず」「金属くず」「ガラスくず・コンクリートくずおよび陶磁器くず」「がれき類」の5品目 には、具体的にどのようなものがあるのでしょうか。

主なものを下記にまとめました。

がれき ● 新築、改築または除去に伴って生じたコンクリートの破片
● アスファルト、レンガの破片
● 土砂、土砂混じりのがれき類
ゴムくず ● 生ゴム
● 天然ゴムの裁断くずなど
金属くず ● 鉄・アルミ・ステンレスなどの単一金属
● 足場パイプ・鉄骨鉄筋くず・金属加工くずなど
廃プラスチック類 ● 廃ビニール
● 硬質プラスチック類
● 廃タイヤ
● 発泡スチロール(発泡トレー・資材梱包発泡スチロール)
● 合成ゴムくずなど
ガラスくず
コンクリートくず
陶磁器くず
● モルタルおよびヘーベルライト
● スレート板・板ガラスくず・ガラス繊維くず
● タイルくず・廃陶磁器・耐火れんがくず、石くずなど

がれき類とは、建設現場で発生するコンクリートやアスファルト、レンガの破片などのことです。建設・解体によって発生したものでない場合、例えば採石場 で排出された不要な岩石などは、がれき類に該当しません。

ゴムくずとは天然ゴムを原料とする排出物のことです。合成ゴムなどは該当せず、原料が天然ゴムであるものだけが対象です。具体的には生ゴムや天然ゴムの加工工場から排出されるゴムの裁断くずなどが該当します。

廃プラスチック類とは、廃ビニール・合成ゴムくず・廃シート類・廃発泡スチロールなどのことです。例えば廃タイヤ・梱包資材・食品容器・ペットボトルなど、主に原油を材料とするものが該当します。

なお、他の安定型産業廃棄物は埋立処分が中心ですが、廃プラスチック類 はマテリアルリサイクル・ケミカルリサイクルなどで再生利用が可能なため、埋めずにリサイクルされるケースも増えてきました。

ガラスくずは割れた窓ガラスや製造過程で排出されるガラスくずのこと。コンクリートくずは建築現場以外で出されたものです。陶磁器くずには陶磁器製品の不良品や廃棄品などが該当します。

金属くずとは、金属加工時に出たくずや金属製品のスクラップなどのことです。鉄くずをはじめアルミ・ステンレス・真鍮・銅など多くの種類があり、排出場所もさまざまです。具体的な金属くずの例としては、解体工事で排出される鉄筋や、自動車のスクラップなどが挙げられます。

※参考:e-Gov法令検索. 「廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令第6条の3のイ」(入手日付2023-07-27)

安定型最終処分場とは

最終処分場には廃棄物の性質に合あわせた処分ができる3 種類(安定型・遮断型・管理型)の処分場があります。

安定型産業廃棄物が処分されるのは3種類の中の「安定型最終処分場」です。安定型最終処分場とはどういうものなのか解説します。

※参考:e-Gov法令検索. 「一般廃棄物の最終処分場及び産業廃棄物の最終処分場に係る技術上の基準を定める省令第2条の3」(入手日付2023-07-27)

特徴

安定型最終処分場は、安定型産業廃棄物以外の埋立が認められていない最終処分場です。安定型産業廃棄物は生活や環境の保全に支障が少ないため、地中にそのまま埋められます。

安定型産業廃棄物は有害物質を含まず、埋めてもガスや汚染水を発生しません。環境に悪影響を及ぼす恐れが少ないことから、処分場内で発生する浸出水の流出を防止する遮水工の設置義務もありません。

ただし、埋立前に安定型以外のものが混ざっていないか調べる展開検査や、浸透水を採取して汚染されていないかチェックするための設備の設置は義務付けられています。

処理方法

安定型最終処分場の処理方法はシンプルで、穴を掘って埋め、その上を土で覆っていく方法がとられています。

埋立方法には、処分場に投入するだけの投げ込み方式や、ごみを水平に敷きならし、ごみの層と覆土を交互に積み重ねるサンドイッチ方式などがあります。

基本的に穴を掘って埋め、上から覆土をかぶせるだけ処分なので、他の方法に比べて処分コストが安価なのが特徴です。

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