セメントの正しい処理方法とは?不適切な処理方法も紹介

セメントは、建築工事や解体工事などの事業活動だけでなく、DIYや庭造りなどで余った際にも排出されます。これらを適切に処理する方法をご存じでしょうか?

セメントは正しい手順や手法により処理しなければ、健康や環境に悪影響を与える恐れがある他、最悪の場合は罰則が科される可能性もあります。そのため、処理に関する正しい知識を持っておくことが欠かせません。

そこで本記事では、セメントは何ごみに該当するのか、それぞれの違い、処理方法などを解説します。記事後半では、やってはいけないセメントの処理方法や道具・容器の処理方法もご紹介するので、ぜひ参考にしてください。

セメントは何ごみになる? 

セメントは、多くの自治体で適正処理困難物に指定されているため、処分の際は自治体から許可を得た産業廃棄物処理業者に依頼する必要があります。自治体で回収される一般のごみとまとめて、集積所に出さないように注意しましょう。

産業廃棄物とは、事業活動に伴い発生する廃棄物の総称です。廃棄物処理法(廃棄物の処理及び清掃に関する法律)や政令により、20品目が定められています。セメントはこのうち、「ガラスくず、コンクリートくずおよび陶磁器くず 」「がれき類」に該当します。

産業廃棄物と聞くと、事業活動により生じたもののみが該当するイメージを抱くかもしれませんが、DIYで使用したセメントも産業廃棄物に該当します。家庭用セメントや簡易セメント、インスタントセメントも一般ごみとして処分できないことを念頭に置いた上で、適切に処理しましょう。


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セメント・モルタル・コンクリートの違い

ここでは、セメント・モルタル・コンクリートの違いを見ていきましょう。

セメントは灰色の粉末で、水と混ぜることで硬化したり接着したりする性質があります。このセメントを加工すると、モルタルとコンクリートを製造できます。

モルタルとは、セメントに水と砂を加えた素材です。柔軟性が高く、建物の外壁やレンガなどの接着剤に用いられる他、高い装飾性を持つので仕上げ用の素材としても最適です。一方で強度には長けていないため、建物の構造体には使用されません。

コンクリートは、セメントに水・砂・砂利を加えた素材です。強度が高く、柱や壁、梁など建物の構造を支える部分に用いられます。一方で粘り気が強いため、加工の自由度は高くありません。

セメントの処理方法

セメントは以下の方法により処理できます。

  • 産業廃棄物業者へ依頼する
  • ホームセンターに引き取ってもらう
  • 必要な人へ譲る

それぞれの処理方法の特徴やメリットをご紹介します。

産業廃棄物業者へ依頼する

まず挙げられるのが、産業廃棄物業者へ依頼する方法です。少量だと処理費用が割高になる可能性がありますが、適切に処分してもらえる点がメリットです。

産業廃棄物業者を選ぶ際は、以下のポイントを意識してください。

  • 自治体から営業許可を得ているか
  • 行政処分歴はないか
  • 実績は豊富か
  • 優良認定を受けているか
  • マニフェストの作成に対応しているか

上記のうち、自治体から営業許可を得ているかは必ず確認しましょう。加えてマニフェストの作成に対応している業者であれば、スムーズに取引を実行できるため、業務効率化とコスト削減に寄与します。

ホームセンターに引き取ってもらう

不要になったセメントは、ホームセンターに引き取ってもらうことも可能です。

ホームセンターに引き取りを依頼するメリットは、適切な処理が施されるため環境保護に貢献できることに加えて、処分にかかるコストや時間を節約できる点です。売却できれば、利益を上げることもできます。

ただし、ホームセンターによっては「購入時のレシートが残っていること」「未使用かつ使用可能な状態であること」などのように条件が定められていることもある点には注意しましょう。

必要な人へ譲る

セメントを必要としている人へ譲るのも、処理方法の一つです。未使用でまだ固まっていない状態のセメントであれば、需要もあるためフリマアプリやインターネットオークションなどで売却できます。身近な人に声をかけてみるのもよいでしょう。

この処理方法は、コストをかけずに処分でき、売却により利益を上げられる点がメリットです。一方で使用済みもしくは既に固化したものには需要は少なく、出品や交渉に難渋する可能性がある点には注意しましょう。

やってはいけないセメントの処理方法

セメントは、以下の方法で処理してはいけません。

  • 排水口へそのまま流す
  • 敷地外の地面にまく・放置する
  • 無許可の不用品回収業者に依頼する

産業廃棄物に該当するセメントを上記のように処理すると、罰則が科される可能性があります。それぞれの処理方法と、それに伴うペナルティなどを見ていきましょう。

排水口へそのまま流す

セメントは水と反応して硬化する性質があるため、そのまま排水口へ流すと排水管内や下水道管で固化して詰まりを引き起こしてしまいます。詰まりにより公共インフラがダメージを受ける可能性が考えられるため、排水口へそのまま流さないようにしましょう。

また、排水口へ流す行為は不法投棄にあたるため、罰則が科されます。

敷地外の地面にまく・放置する

敷地外の地面にまいたり、放置したりすることも近隣の方に迷惑になるため行わないようにしましょう。

敷地内であっても、庭にはまかないように注意が必要です。セメントはアルカリ性なので、植物の成長に悪影響を及ぼします。

無許可の不用品回収業者に依頼する

不用品回収業では、セメントに限らず多くの不用品を処分できるため、依頼を検討している方もいるでしょう。このとき、不用品回収業者が産業廃棄物の収集運搬・処分業の許可を、地区を管轄する都道府県から得ているかを必ず確認しましょう。

無許可で営業している業者に依頼すると、その業者はもちろん、依頼主も罰則が科されます。廃棄物処理第二十五条に基づくと、依頼した業者は5年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金、またはその両方が科せられます。

処理業の許可を取得しているかは、依頼先の企業のホームページや、処理業許可情報検索などで確認してください。インターネットやSNSで口コミを検索したり、セメントをはじめとする産業廃棄物の回収実績があるかをチェックしたりするのもよいでしょう。

参考:e-GOV法令検索.「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」 ,(入手日付 2024-03-14).
参考:公益財団法人産業廃棄物処理事業振興財団「処理業許可情報検索」

道具や容器の処理方法

セメント自体と同様に、道具や容器も適切に処理しなければなりません。そのまま処理すると、環境汚染の原因となり得ます。「セメントが付いた道具やバケツを洗った排水」と「セメントが入っていた容器」のそれぞれの処理方法をご紹介します。

セメントが付いた道具やバケツを洗った排水

セメントは水中でも固まるため、セメントが付着した道具やバケツを洗った排水も適切に処理しなければなりません。

道具やバケツを洗浄する前に、まずは付着したセメントを可能な限り取り除いてください。その上で、少量の水で洗い流します。

排水はそのまま捨てると環境汚染の原因になるため、専用の中和剤を加えて中和してから捨てましょう。中和剤は、ホームセンターや通販サイトなどで販売されています。

セメントが入っていた容器

セメントが入っている容器は、まだ固まっていない場合は拭き取って、道具やバケツと同様に少量の水で洗い流してください。

セメントが固まった場合は取り外して、分別して処理します。取り外せない場合は、まとめて処分する必要があるため、異なる素材が混ざった廃棄物の処理を請け負っている処理業者に依頼しましょう。

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