産廃コンテナとは?種類・サイズ・運用方法や注意点を解説

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建設現場や自社の廃棄物置き場などで、産業廃棄物の保管や管理、運搬する際に活躍するのが産業廃棄物コンテナ(産廃コンテナ)です。

産廃コンテナは保管や収集運搬の際の入れ物として使用できるだけでなく、上手に運用すると収集運搬コストも抑えられる優れた収納物です。

本記事では、産廃コンテナの種類やサイズ、コンテナに保管した産業廃棄物の処分方法を詳しく紹介します。自社に合ったコンテナを選んで、産業廃棄物の処理を効率化してください。

産廃コンテナとは

「コンテナ」とは 、箱・入れ物・容器などを意味する言葉です。鉄道輸送や船による海上輸送などで利用される金属製の箱が代表的なものでしょう。

輸送に利用すると、トラック・電車・船・飛行機と輸送手段が代わっても、中身を積みかえることなく、そのまま運べるため世界の物流に欠かせない容器として活躍しています。

ただし、一口にコンテナといっても種類はさまざまです。鉄道や船舶で運ぶものだけでなく、手で持てる小さな箱や袋、大型トラックに積む大型のものまで、幅広くコンテナと呼ばれる容器が存在します。

中でも産業廃棄物の保管・収集運搬の際に利用されているのが「産廃コンテナ」です。

産廃コンテナには、箱状のものや袋状のもの、蓋を閉められるタイプや密閉効果があるタイプなどさまざまなタイプがあります。

共通するのは、排出された産業廃棄物をまとめられ、現場の整理整頓や清潔の維持に役立つことです。運搬・搬出しやすいのもメリットといえるでしょう。


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産廃コンテナの種類と用途

産廃コンテナには大きく分けて、以下の3つのタイプがあります。
● フレキシブルコンテナバッグ
● 脱着装置付きコンテナ
● 産廃ボックス

それぞれの特徴と用途を詳しく見ていきましょう。

フレキシブルコンテナバッグ

フレキシブルコンテナバッグ

フレキシブルコンテナバッグ(フレコンバック)は、布やポリプロピレン樹脂を使った袋状の容器です。さまざまな業界で利用されるため、多くの呼び名があります。ジャンボ土嚢・トランスバック・トンパック・トン袋・クロスコンテナ。これらも全てフレコンバックのことを表す言葉です。

フレコンバックは主に細かい粒や粉状の廃棄物や汚泥、紙くずや木くず、繊維くずやがれき類、金属くずの収集運搬に使われます。燃え殻や廃プラスチック類、コンクリートくずの保管にも適しているでしょう。

フレコンバックの特徴は効率的な保管・輸送が可能になることです。やわらかい素材で折りたためるため、使用していないときに場所をとりません。それでいて自重の1000倍までを収納して運ぶことが可能です。吊上げできるベルトが付いており、クレーンやフォークリフトで簡単に移動できます。

フレコンバックは汚泥など水分が多い廃棄物の保管には適していません。また3段以上積み上げての保管も厳禁です。積み上げて保管すると、崩れたりするトラブルを起こすことがあるため注意してください。

脱着装置付きコンテナ

脱着装置付きコンテナ

脱着装置付きコンテナは、脱着装置付きコンテナ専用車(アームロール車)に搭載するタイプです。

アームロール車とは、車載アームによって産廃コンテナの積み下ろしを自在に行え、コンテナを乗せ替えることで荷台の形状を自由に変更できる特殊車両の一種を指します。

大量の廃棄物が排出される現場で使用されることが多く、容量が大きいのが特徴です。現場で一時的にコンテナに廃棄物を集め、一定量になったらアームロール車の荷台に移して処理施設に運びます。

脱着装置付きコンテナでの保管に適しているのは、主にがれき類、繊維くず、廃プラスチック類、燃え殻、ばいじん、木くず、ゴムくず、紙くず、金属くず、動植物性残さ、動物のふん尿、ガラスくず・コンクリートくずおよび陶磁器くずなどです。

産廃ボックス (バッカン)

産廃ボックス (バッカン)

産廃ボックスは通称バッカンと呼ばれる四角形の鉄製大型容器のことで、鉄箱と呼ばれることもあります。

脱着装置付きコンテナをバッカンと呼ぶこともありますが、現場によっては脱着装置の付いていないタイプを産廃ボックスと呼んで区別する場合もあるため、どちらか迷ったときは確認してください。

産廃ボックスは固定用の装具があるため、固定しながら積み重ねられるのがメリットです。

産廃ボックスは主に廃プラスチック・木くず・紙くず・金属くず・石膏ボード・ガラス陶磁器の混合廃棄物などの保管に使用されます。

なお鉄製の産廃ボックスは腐食に弱いため、液体や酸性の物質・物体を入れないようにしてください。

産廃コンテナのサイズ

産廃コンテナには、内容物や運搬方法に応じてさまざまなタイプがあります。下記を参考に使用状況に合ったサイズを選んでください。

フレキシブルコンテナバッグ

フレコンバッグでよく使用されるサイズは、1000L容量で110cm(直径)×110cm(高さ)のサイズです。最大耐荷重1000L=1トンのものが主流なため、「トンバッグ」や「トン袋」などと呼ばれます。

最大耐荷重1トンのサイズを標準として、50×90cmの小さめサイズから130×155cmの大きめサイズまで、多くのメーカーがさまざまなサイズのフレコンバックを製造しています。

希望のサイズがない場合に、オーダーメイドでフレコンバックをつくってくれるメーカーもあるため、オリジナルのフレコンバックが必要な場合はメーカーに相談してみましょう。

なおフレコンバックの形状は円筒状の丸型、角筒上の角型の2種類が主流です。

脱着装置付きコンテナ

脱着装置付きコンテナは、アームロールの後部ツメで車体の背中に引き上げて積載するのを前提に作られているため、どのコンテナも容量が大きいです。

容量は幅広く、1㎥から30㎥を超えるものまでさまざまです。
6㎥のコンテナで、幅190cm×奥90cm×高さ350cm前後ですが、脱着装置付きコンテナはそれを超えるサイズなのが一般的です。

一例を挙げると8㎥と13㎥ では、以下のように寸法が変わります。

● 容量約8㎥
外形寸法:幅約200cm×奥約400cm×高さ約150cm
内形寸法:幅約180cm×奥約360cm×高さ約120cm

● 容量約13㎥
外形寸法:幅約200cm×奥約400cm×高さ約230cm
内形寸法:幅約180cm×奥約360cm×高さ約200cm

適した大きさは、事業場に設置する際は設置スペースの広さ、産業廃棄物の大きさ・重量などで異なります。現場の規模や周辺の道路幅によっても適したサイズが変わってくるため、回収を担当する収集運搬業者と相談して決めましょう。

産廃ボックス (バッカン)

アームロール車で脱着しないタイプの産廃ボックスは、そのままダンプ車などに積み込む必要があるため、脱着装置付きコンテナよりもサイズが小さいのが一般的で、2〜4㎥程度の容量が多く使用されています。

大きさの目安は以下のとおりです。
これ以外にも、様々な大きの産廃ボックスが各メーカーにより作られています。

● 容量0.5㎥:幅約120cm×奥約60cm×高さ約60cm
● 容量1.5㎥:幅約180cm×奥約90cm×高さ約90cm
● 容量2㎥:幅約200cm×奥約100cm×高さ約100cm
● 容量3㎥:幅約180cm×奥約180cm×高さ約90cm
● 容量4㎥:幅約180cm×奥約180cm×高さ約120cm

産廃コンテナの運用方法

建設・解体現場のように産業廃棄物が次々と大量に排出される現場の場合、廃棄物が出るたびに収集運搬業者に回収を委託したり、持ち込んだりしていると手間やコストがかさみます。

そこで、いったん廃棄物をコンテナに保管しておき、一定量になったら回収・交換に来てもらい、収集運搬車両で中間処理施設に運搬するのが、産廃コンテナの一般的な運用方法です。

産廃コンテナにかかる費用

産廃コンテナの購入費用は種類やサイズによって異なります。フレコンバックは1枚数百円から購入可能です。一方、脱着装置付きコンテナを購入する場合、アームロール車込みで400万~1,000万円程度かかる場合もあります。

コンテナの購入を検討しているなら、保管場所のスペース、内容物の種類、使用する車両の仕様や運搬後の作業内容を十分考慮し、各メーカーのコンテナを比較・検討しましょう。

またトンパックやコンテナ、大型フックロールなどは1カ月単位でのレンタルでも利用可能です。なお、レンタルする場合には回収処分料金とセットで価格設定されているケースもあります。回収処分料金がメインの場合、レンタル料がかからないこともあるため、トータルの費用を比較検討して選びましょう。

産廃コンテナを設置する場所

産廃コンテナは主に以下の場所に設置 されます。
● 新築現場
● 解体現場
● リフォーム現場
● 物流倉庫
● 自社置き場

どの現場に設置するにしても設置場所は総合的な判断が必要です。

例えばクレーン車やフォークリフト、アームロール車などを使用するなら、それらの車両の稼働スペースが必要になります。

排出した廃棄物を捨てにくい場所に設置すると作業効率が低下します。現場の規模や周囲の環境などを考慮して回収業者や収集運搬業者とも相談した上で、効率よく設置できる場所を選ぶようにしましょう。

産廃コンテナで産業廃棄物を保管する場合

産業廃棄物は、少量であっても悪臭や有害物質の発生を招く可能性があります。また保管基準が法律によって細かく定められているため、産廃コンテナで一時保管する際も法律(廃棄物処理法第12の2)の遵守が必要です。

保管基準は廃棄物処理法律施行規則第8条で細かく定められています。ここでは公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センターがまとめている保管基準の主なポイント を紹介します。

● 保管場所の周囲に囲いを設ける
● 保管場所には必要事項を表示した掲示板を設置する
● 保管場所からの飛散・流出・地下浸透・悪臭発散を防止する
● 汚水発生の恐れがある場合は、公共水域・地下水の汚染を防止する
● 害獣(ねずみなど)・害虫(ハエ・蚊など)の発生対策をする
● 野外にて産業廃棄物を保管する場合の基準を守る
● 石綿含有産業廃棄物を保管する場合は飛散の防止などの措置をとる
● 水銀使用製品産業廃棄物を保管する場合、他と混同しない措置をとる

排出事業者には産業廃棄物を正しい場所で適切に保管する責務があります。廃棄物処理法の施行規則第8条に記載された保管基準を確認し、遵守することが重要です。収集運搬業者・処分業者の方も排出事業者の保管方法をチェックしてあげるとよいでしょう。

※参考:e-Gov法令検索「廃棄物の処理および清掃に関する法律第12条の2」(入手日付2023-09-29)
※参考:e-Gov法令検索「廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則第8条」(入手日付2023-09-29)
※参考:公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センター「産業廃棄物の保管基準」(入手日付2023-09-29)

産廃コンテナの運搬

産廃コンテナの運搬方法はサイズによって変わってきます。1〜3㎥の産廃コンテナはダンプやトラックなどの車両の荷台に積み載せて運ぶのが一般的です。荷台に積載する際にはフォークリフトやクレーンを使用します。

大容量の産廃コンテナは、専用のアーム着脱装置が取り付けられたアームロール車で運ぶのが一般的です。車両の後部から伸びるアームのツメに産廃コンテナを引っ掛けて、車両の背中に引き上げる形で搭載します。

産廃コンテナの収集運搬の際に気を付けたいのが「過積載」です。過積載とはトラックなどに最大積載量を上回る大量の荷物を積むことを指します。

過積載すると、運転中に荷物が落下したり、車体が不安定になったりするなど、事故につながるおそれがあり大変危険です。

過積載は道路交通法違反です。違反するとドライバーに罰金刑や懲役刑が科されるだけでなく、産業廃棄物の収集運搬を業者に依頼した荷主も責任が問われます(※)。

過積載を繰り返していると、警察から「再発防止命令」が出され、命令に違反した場合は「6カ月以下の懲役、または10万円以下の罰金」が科されます。

過積載を防ぐためにも、積み込む産廃コンテナの重量チェックをしっかりと行うようにしましょう。また排出事業者が極端に安価な収集運搬業者へ依頼したり、収集運搬業者に無茶な値引きを強いたりすると、過積載のリスクが高まります。

収集運搬業者・処分業者の方も、無理を強いるような排出事業者には注意してください。

※参考:国土交通省「過積載は荷主にも罰則が適用されます!」(入手日付2023-09-29)

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