
機密文書や不要になった紙類を処分する際、シュレッダーにかけるケースは多いでしょう。その際に発生するシュレッダーごみは、一般廃棄物にも産業廃棄物のいずれにも分けられるため、判断が難しい場合があります。適切な処分をするためには、事前に処理方法を押さえておくことが欠かせません。
そこで本記事では、シュレッダーごみは何ごみに分類されるのかや、産業廃棄物(紙くず)として扱うべきケース、シュレッダーダストとの違いなどをご紹介します。併せてシュレッダーごみのリサイクル事情などもご紹介するので、ぜひ参考にしてください。
目次
シュレッダーごみは何ごみに分類される?
シュレッダーごみとは、シュレッダーにかけた紙くずの総称です。何ごみに分類されるのかの判断が難しく、一般廃棄物に分類されるケースもあれば、産業廃棄物として処理しなければならない場合もあります。
どちらに該当するかは、発生するプロセスにより分けられます。産業廃棄物(紙くず)の基準に該当しない場合は、一般廃棄物として処理が可能です。
ただし事業活動に伴い発生したものは、事業系一般廃棄物となるため、家庭ごみと一緒に処分をすることはできません。
シュレッダーごみを産業廃棄物(紙くず)として扱うべきケース
以下のいずれかの条件に該当するシュレッダーごみは、産業廃棄物の紙くずとして扱います。
- 建設業(工作物の新築、改築または除去に伴い生じたものに限る)に関わるもの
- パルプ、紙または紙加工品の製造業に関わるもの
- 新聞業(新聞巻取紙を使用して印刷発行を行うものに限る)に関わるもの
- 出版業(印刷出版を行うものに限る)に関わるもの
- 製本業および印刷物加工業に関わるもの
- 業種を問わず、PCBが塗布、または染み込んだもの
上記で特に注意しなければならないのが、PCBが関連する場合です。PCB(ポリ塩化ビフェニル)は、かつて様々な用途で使用されていた人工の化学物質です。健康被害が判明し1972年に製造が禁止されましたが、それ以前に生産された感圧複写紙(ノンカーボン紙)などにはPCBが使用されている場合があるため、現在も注意喚起がされています。
PCBが含まれる廃棄物は、ただの産業廃棄物ではなく、より厳重な基準が設定されている特別管理産業廃棄物(特定有害産業廃棄物)として処理します。
シュレッダーダストとの違い
シュレッダーごみと似た言葉にシュレッダーダストがありますが、両者は異なる廃棄物であるため、注意してください。
シュレッダーダストとは、工業用シュレッダーで裁断された自動車や電化製品の破片を指します。シュレッダー前に金属部分は回収されているので、主にプラスチックやガラス、ゴムなどからなります。
シュレッダーダストには、水銀・鉛・カドミウムなどの重機金属類や有機溶剤などが含まれているため、注意して処理しなければなりません。環境を汚染する可能性が高いため、管理型最終処分場に埋め立てられます。
なお自動車メーカーには、自動車リサイクル法に基づきシュレッダーダストを再資源化する義務が定められています。
シュレッダーごみはリサイクルしにくい?
シュレッダーごみは、リサイクルしにくい産業廃棄物の一種です。その理由には、「不純物が混ざりやすい」「紙の繊維が壊れる」などが挙げられます。それぞれの理由を詳しく見ていきましょう。
不純物が混ざりやすい
通常紙くずは、主に同じ紙製品として再生利用されます。その際に紙以外の原料が混入すると、品質の劣化を招くため、リサイクルすることができません。
シュレッダーごみは、多くの場合ビニール袋などにまとめられて廃棄されますが、その際に紙以外の素材が混入しやすいほか、元の書類のホチキス芯やクリップの外し忘れで金属が混入するケースも多くあります。
リサイクルするにはこれらを完全に取り除く必要がありますが、このプロセスには多大なコストと手間がかかるため、容易に実施できるわけではありません。そのため、不純物除去の手間を省くために、そもそもシュレッダーごみの受け入れを拒否する製紙会社もあります。
紙の繊維が壊れる
シュレッダーにより紙が細かく裁断されると、同時に繊維も切断されます。繊維同士のつながりが弱くなるため、そこから製造される製品の強度ももろくなってしまいます。
基本的に、一度使用された古紙から製造される再生紙は、耐久性に欠けます。元の素材の品質が悪いと、再生紙の品質がさらに低下するので、対応できる用途が限られてしまいます。
シュレッダー以外にもある?機密文書の処理方法
機密文書の処理方法には、シュレッダーの他に、溶解処分という方法もあります。それぞれのメリット・デメリットを見ていきましょう。
シュレッダー処分
シュレッダーのメリットは、自社で機密情報の処分が行えることです。
即時で処理をできるため安心感があり、社内のセキュリティ意識の向上にも繋がるでしょう。
デメリットとしては、前述のように紙の繊維が切断されたり、紙以外の不純物が混入することによるリサイクルの難しさが挙げられます。対応している事業者もありますが、多くの場合はそのまま焼却処分をすることが多く、二酸化炭素の発生に繋がります。
溶解処分
シュレッダーの代わりに注目されているのが、特殊な液体を用いて紙類を溶かす溶解処分という方法です。溶解処理では紙の繊維を温存できるため、リサイクルしやすい点がメリットです。また、クリップなどの金属は処理の過程で分離されるため、ひとつひとつ取り外す手間もありません。
デメリットとしては、専門業者に委託する必要があること、溶解されるまでの間に情報漏洩の危険があることなどが挙げられます。現在は多くの企業が機密文書の溶解サービスを提供しているため、信頼できる企業に依頼をするのがいいでしょう。
溶解処分では焼却を行わないため、二酸化炭素が発生せず、環境にやさしい処理方法です。今後、シュレッダーに代わる処分方法として検討する価値は大いにあるでしょう。
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