
剪定や間伐などで伐採した木々の処分に困っている方も多いのではないでしょうか。しばらく放置するとシロアリやカビが発生するため、適切に処理する必要があります。
伐採した木はさまざまな方法で処分でき、処分方法ごとに特徴が異なります。産業廃棄物に分類されるケースもあるので、正しい処理方法を把握しておくことが重要です。
そこで本記事では、伐採した木を処分する5つの方法を解説します。伐採した木は産業廃棄物扱いになるのか、伐採した木の活用方法、業者に依頼する際の注意点なども併せて解説しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
伐採した木の処分方法は?
伐採した木の処分方法は、以下の5つです。
● 可燃ごみとして出す
● 自治体のごみ処理施設に持ち込む
● 業者に引き取りを依頼する
● 希望者に譲渡する
● 加工して売却する
それぞれの方法の詳細を見ていきましょう。
可燃ごみとして出す
まず挙げられるのが、ごみとして出す方法です。木は燃やすことができるため、可燃ごみに分類されます。この方法は処理に当たってコストもかからず、手軽に木を処分できます。
伐採した木を可燃ごみに出す場合、自治体独自のルールや規定があることが多いので事前に確認しておきましょう。例えば新宿区の場合、可燃ごみに出せる木は以下のように規定されています。
● 枝の長さは50cm以内であること
● 1回の収集に出せるごみ袋(45L)・枝の束の数は3つまで
● 大量に出す場合は、可燃ごみとしてではなく、管轄の清掃事務所または清掃センターに相談すること
多くの自治体では、葉や枝、小さな木片は可燃ごみとして出せますが、一定以上の大きさの木片や太い幹・枝などは、可燃ごみの収集対象外となることがあります。その場合は、他の方法を試してみてください。
※参考:新宿区「燃やすごみの出し方」(入手日付2024-11-25)
自治体のごみ処理施設に持ち込む
サイズが大きい場合や、大量に処分する場合は自治体のごみ処理施設に直接持ち込みましょう。可燃ごみとして処理できない場合でも、自治体が運営するごみ処理施設に直接持ち込めば、基本的には処分してもらえます。
この方法で処理するに当たっては、施設のルールを事前に確認しておきましょう。施設やセンターによっては、事前予約が必要になるケースもあれば、営業時間内であればいつでも持ち込んでよい場合もあります。加えて、葉・枝・生木などのように分別が求められるケースや、処理費用がかかることもあるので、あらかじめチェックしておきましょう。
また自治体のごみ処理施設に持ち込む場合、大きさや量によっては自前でトラックなどの車両を準備しておく必要があります。
業者に引き取りを依頼する
伐採した木は業者に引き取りを依頼することも可能です。量が多すぎて可燃ごみとして処理できない場合や、大型の幹を自治体のごみ処理施設に持ち込めない場合などに適しています。
伐採を業者に委託した場合はそのまま処分してもらえますが、自ら伐採した場合でも業者に委託できるケースがあります。引き取りのみにも対応しているか、事前に問い合わせて確認しておきましょう。
また業者によって引き取り料金は異なります。さまざまな樹種が混合していたり、高い木や太い木を依頼したりする場合は料金が高くなる他、状況によっては引き取り対象外となることもあるため注意してください。
なお、業者に引き取られた木々は、業者により処理もしくはリサイクルされます。リサイクルされる場合、細かくチップ状に加工され、建築材や農業用堆肥、公園の景観材などに生まれ変わるため、環境にも優しい処分方法です。
希望者に譲渡する
希望者がいれば無償もしくは有償で引き取ってもらうのも処分方法の一つです。業者に依頼する場合などと異なり、コストがかからない点がメリットです。
一般的に伐採した木は以下のような活用方法で需要が見込めます。
分類 | 活用例 |
---|---|
幹 | ●薪や燃料 ●ベンチやテーブルなどの家具 ●DIY用の木材 |
太い枝 | ●薪や燃料 ●園芸用の支柱や柵 ●DIY用の木材 |
細い枝 | ●薪や燃料 ●ウッドチップ化してマルチング材として利用 |
葉 | ●堆肥やコンポスト用の材料 ●土壌改良材 |
SNSやフリマアプリを利用して、譲渡希望者を募ると集まりやすいでしょう。譲渡する際は、後々トラブルに発展するのを避けるために、木々の状態やサイズを事前に明示し、譲渡条件をあらかじめ決めておくことが重要です。
加工して売却する
伐採した木を木材に加工して販売することもできます。この方法は、木材を資材として有効活用できるだけでなく、収益を上げられる点がメリットです。
近年、DIYブームの高まりにより木材を使用する人が増え、個人が販売する木材の需要も高まってきています。伐採後に加工するとなるとハードルが高く感じるかもしれませんが、自治体によっては加工具を貸してくれることもあるので確認してみましょう。
例えば新潟県三条市では、まちやま道具箱と称して、木材の加工に必要なノミ・かんな・ドライバー・ニッパー・ペンチなどの工具を貸し出しています。
売却先は先述したように、SNSやフリマアプリを活用して探してみましょう。
伐採した木は産業廃棄物扱いになる?
伐採した木を処理する際に気になるのが、産業廃棄物扱いになるのかという点です。ここでは、産業廃棄物扱いになる場合とそうでない場合に分けて解説します。
産業廃棄物扱いになる場合
産業廃棄物扱いになる場合について見ていく前に、まずは簡単に「産業廃棄物とは何か」を説明します。産業廃棄物とは、事業活動に伴い排出される廃棄物の総称です。廃棄物処理法(廃棄物の処理及び清掃に関する法律)上、20種類に分けられています。
伐採した木が産業廃棄物扱いになるのは、主に当該廃棄物が建設工事に伴い排出された場合や家具の製造を業として営む業者が排出した場合です。例えば、建物の増築やリフォームに伴い伐採された木は産業廃棄物扱いになります。個人がDIYに伴い伐採した木々は、建設工事に伴い排出されたものではないため、基本的に産業廃棄物には該当しません。
なお、産業廃棄物に該当する場合、各都道府県知事による許可を得た業者に処理を依頼する必要があります。
産業廃棄物扱いにならない場合
建設工事に伴い排出される木以外は、原則として産業廃棄物扱いとはなりません。産業廃棄物以外の廃棄物は、一般廃棄物に分類されます。
この場合、可燃ごみに出すか自治体のごみ処理施設で引き取ってもらうかは、大きさや量により異なります。こちらも自治体により細かいルールは異なるので、あらかじめ確認しておいてください。
伐採した木の活用方法
伐採した木には、以下の活用方法があります。
● 建築材として使う
● 舗装材として使う
● 燃料として使う
それぞれの活用方法を解説します。
建築材として使う
伐採した木々は状態が良ければ木材として再利用できます。環境に優しく、そして経済的なメリットもある有効な活用方法です。
大手飲料メーカーのアサヒグループでは、広島県の「アサヒの森」で発生するヒノキやスギなどの間伐材を地元の製材工場に出荷し、建築資材として活用しています。国立競技場の一部に使われたり、アサヒグループのオフィス家具に利用されたりしています。その他バイオトイレやフォレストハウスなどにも活用されており、環境に優しい活用方法の事例です。
舗装材として使う
舗装材とは、耐久性向上や美観向上のために使用される、道路や公園、歩道などの表面を覆う材料です。公道ではアスファルトやコンクリートが一般的ですが、公園内や個人宅のお庭の舗装には木材から作ったウッドチップが使われることもあります。
ウッドチップによる舗装には雑草対策になる、癒し効果があるといったメリットがあります。また地球環境にも優しく、さまざまな面で優れた舗装材です。
燃料として使う
ふぞろいな木材や、建築材・舗装材に使える状態でないものは、燃料としても使えます。伐採した木を有効活用するために、薪や木炭として利用するのは以前から行われていた方法です。
木質ペレットをはじめとする、木質バイオマスとしても活用できます。木質バイオマスを燃焼させてエネルギーを得る際、二酸化炭素が排出されますが、木が生育する過程で二酸化炭素を吸収しているので、実質的には排出されません。地球温暖化対策に寄与する他、カーボンニュートラルを実現できるため、近年注目を集めています。
伐採木の処分を業者に依頼する際の注意点
伐採木の処分を業者に依頼する際は、以下の点に注意しましょう。
● 葉が枯れる前に依頼する
● 適正価格を把握しておく
● 大きさにより回収不可な場合がある
それぞれの注意点を解説します。
葉が枯れる前に依頼する
伐採した木を処分する際は、葉が枯れる前に依頼しましょう。
葉が枯れると、パラパラと散ってしまいやすくなります。収集・運搬だけでなく落葉を処理する工程も発生するので、手間を省くためにも枯れる前に処分しておくのがおすすめです。
また枯れた葉を放置すると分解が進み腐敗します。悪臭や害虫の発生原因になりかねないことからも、枯れる前に依頼して処分するのがおすすめです。
適正価格を把握しておく
実際に業者に依頼すると、見積もりを出してもらえます。この見積もりが妥当かを判断するために、適正価格を把握しておきましょう。処分費用は木のサイズや本数、作業条件により異なります。
まずは業者のホームページをチェックして、価格表を把握しておいてください。適正価格を知っていれば、必要以上に費用を請求されるリスクを避けられます。
コストが最適かどうかを判断したい場合、可能であれば複数の業者に見積もりを取り、比較検討するのも良いでしょう。
大きさにより回収不可な場合がある
業者によっては、効率的な運搬や処分のために、大きさに制限を設けていることがあります。この規定を超える木の処分を依頼する際には、回収不可な場合がある点も念頭に置かなければなりません。
仮に回収が可能な場合でも、専用の重機が必要となり追加費用がかかることも考えられます。こうした事態を避けるためには、業者に事前に木のサイズを伝え、回収可能かどうかを確認しましょう。
またサイズ規定がある場合、可能であれば回収可能なサイズにまで小さく切断して依頼するのも有効です。
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