第13号廃棄物とは?定義や取り扱いの際の注意点などについて解説

イメージ画像

廃棄物処理法では、産業廃棄物を20種類に分類しています。その20種類の最後に分類される産業廃棄物が「第13号廃棄物」です。第13号廃棄物と聞いても、具体的にどのような産業廃棄物を指すのかイメージしにくいかもしれません。

そこで本記事では第13号廃棄物の定義や具体例、取り扱いの際の注意点、どのように処理されるかなどを詳しく解説していきます。

第13号廃棄物とは?

第13号廃棄物とは産業廃棄物処理法施行令の第二条第十三号において、以下のように規定されているものです。

燃え殻、汚泥、廃油、廃酸、廃アルカリ、廃プラスチック類、前各号に掲げる廃棄物(第一号から第三号まで、第五号から第九号まで及び前号に掲げる廃棄物にあつては、事業活動に伴つて生じたものに限る。)又は法第二条第四項第二号に掲げる廃棄物を処分するために処理したものであつて、これらの廃棄物に該当しないもの

– 廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令 第二条第十三号

上記の条文では分かりにくいかもしれません。簡単に述べると、第13号廃棄物とは「産業廃棄物を処分するために中間処理を施したもので、他の19種類の産業廃棄物に該当しないもの」のことです。

他の19種類とは、以下のものを指します。

あらゆる事業活動に伴うもの
種類 具体例
1.燃え殻 石炭がら、焼却炉の残灰、炉清掃排出物など
2.汚泥 排水処理の汚泥、ビルピット汚泥、カーバイトかす、建設汚泥などの各種泥状物
3.廃油 グリス(潤滑油)、廃溶剤類、タールピッチなど、鉱物性動植物性を問わず、全ての廃油
4.廃酸 廃写真定着液、廃硫酸、廃塩酸など、有機性無機性を問わず、全ての酸性廃液
5.廃アルカリ 廃写真現像液、廃金属石けん液など、有機性無機性を問わず、全てのアルカリ性廃液
6.廃プラスチック類 発泡スチロールくず、合成繊維くずなど、固形状液状を問わず、全ての合成高分子系化合物(合成ゴムを含む)
7.ゴムくず 生ゴム、天然ゴムくず(注:合成ゴムくずは、廃プラスチック類)
8.金属くず 鉄くず、アルミくず、不要となった金属、金属の研磨くず、切削くずなど
9.ガラス・コンクリート・陶磁器くず 板ガラス、石膏ボード、耐火レンガくずなどコンクリート製品、製造工程からのコンクリートくずなど
10.鉱さい 鋳物廃砂、電炉等溶解炉かす、不良石炭、ボタ、粉炭かすなど
11.がれき類 工作物の新築、改築、除去に伴って排出されたコンクリートの破片、レンガの破片など
12.ばいじん 大気汚染防止法のばい煙発生施設、または産業廃棄物焼却施設の集じん施設によって集められたばいじん
業種などが限定されるもの
種類 具体例
13.紙くず 建設業、パルプ製造業、製紙業、紙加工品製造業、新聞業、出版業、製本業、印刷物か工業から発生する紙くず
14.木くず ①建設業、木材または木製品製造業、パルプ製造業、輸入木材卸売業、物品賃貸業から発生する木くず、おがくず、バーク類 ②貨物の流通のために使用したパレット ※パレット使用の物品を受け取った場合は、受け取ったところの責任で処理する。
15.繊維くず 建設業、衣服その他繊維製品製造業以外の繊維工場から発生する天然繊維くず
16.動植物性残さ 食料品製造業、医薬品製造業、香料製造業などで原料として使用した動物や植物に係る固形状の不要物
17.動物系固形不要物 と畜場で解体等した獣畜や、食鳥処理場で処理した食鳥に係る固形状の不要物
18.動物のふん尿 畜産農業から排出される牛、馬、めん羊、にわとりなどのふん尿
19.動物の死体 畜産農業から排出される牛、馬、めん羊、にわとりなどの死体

参考:公益社団法人日本産業廃棄物処理振興センター「産廃知識 廃棄物の分類と産業廃棄物の種類等」

上記の19種類に続き、20番目に「以上の産業廃棄物を処分するために処理したもので、上記の産業廃棄物に該当しないもの」として挙げられているのが、いわゆる第13号廃棄物です。

例えば公益社団法人日本産業廃棄物処理振興センター(JWセンター)は、13号廃棄物の代表例として「コンクリート固化物」を挙げています。コンクリート固化物とは「ばいじん」や「汚泥」などの産業廃棄物をコンクリートで固める中間処理(固化)を施して、埋立基準を満たすようにしたもののことです。


DXE株式会社資料DL

第13号廃棄物が定義された理由

他の19種類と区別して第13号廃棄物が定義されたのは、コンクリート固化物のように埋立処分のために中間処理した結果、他の19種類のどれにも当てはまらないものがでてくるためです。

例えば、有害物質を含む汚泥やばいじんをコンクリート固化した場合、それはあくまでコンクリート固化物であり、産業廃棄物に該当する汚泥やばいじんではなくなります。

もし13号廃棄物の定義がない場合、コンクリートで固めているとはいえ、重金属などの有害物質を含んだ廃棄物が一般廃棄物処理場に持ち込まれてしまいかねません。排出時に産業廃棄物であったものが、途中から一般廃棄物になってしまっては廃棄物処理法の理念から外れてしまいます。

そのため明らかに産業廃棄物であるにもかかわらず、具体的に品目が示せないものを廃棄物処理法施行令第四条第十三号で、13号廃棄物と規定したのです。

第13号廃棄物に該当するもの

第13号廃棄物に該当するのは、環境省告示(環告)13号の基準に該当しているものです。

環告13号では管理型最終処分場で埋立処分とする廃棄物について、守るべき基準と分析方法(13号分析)を定めています。

管理型最終処分場に埋立てても六価クロム、水銀、セレン、カドミウム、鉛といった有害物質が周辺の土壌を汚染しないかを確認するための基準・分析であり、有害物質の数値が基準を上回る場合、より厳格に環境保全のための構造が求められる遮蔽型処分場で処分しなければなりません。

ただし遮断型最終処分場は、管理型最終処分場よりも圧倒的に数が少なく、処分コストも高くなります。

第13号廃棄物の具体例としてはコンクリート固化物の他に、狂牛病(牛海綿状脳症)が問題になった際に注目された肉骨粉(肉以外の骨、皮、内蔵などを加工して飼料にしたもの)も、産業廃棄物である死亡牛を処分するために処理したものなので、第13号廃棄物に該当します。

参考:環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部「産業廃棄物の検定方法に係る分析操作マニュアル」

第13号廃棄物の取り扱う際の注意点

第13号廃棄物の最終処分を処分業者に委託する場合、契約先に13号廃棄物取り扱いの許可があるかどうか確認する必要があります。もし13号廃棄物に該当するかどうか分からないときは、管轄の自治体や処理会社に相談するようにしましょう。

第13号廃棄物の処理の流れ

第13号廃棄物は通常の産業廃棄物と同じく「分別・保管」「収集・運搬」「中間処理」「最終処分」の流れで処理されます。

分別・保管

第13号廃棄物は他の廃棄物とは異なる特性があるため、正しい分別が必要です。分別ができていても保管状態が悪いと、他の廃棄物と混じり合ったりする可能性があります。運搬されるまでの間、適正に保管しましょう。

収集・運搬

次に収集運搬業者に委託して第13号廃棄物を引き渡し、中間処理場まで運搬してもらいます。委託できるのは、都道府県知事や政令市長から13号廃棄物の取り扱い許可を得ている収集運搬業者に限られます。

中間処理

中間処理とは埋立最終処分をするために、脱水や焼却・中和などの処置を施すことを指します。第13号廃棄物の場合には、環告13号に従った方法で中間処理しなければなりません。例えば有害物質を含む汚泥やばいじんでは、コンクリート固化によって有害物質を封じ込める中間処理が行われます。

最終処分

第13号廃棄物は原則として管理型最終処分場に埋め立てられます。管理型最終処分場は、有害物質による汚水を生じる廃棄物などを埋立する処分場です。管理型最終処分場には遮水工や浸出水処理施設の設置が義務付けられているため、13号基準を満たしている廃棄物であれば受け入れが可能です。

電子マニフェストの導入ならDXE Station

収集運搬業者・処分業者の方で「排出事業者がマニフェスト登録をなかなかしてくれない……」や「マニフェスト起票時のミスが多い……」といった悩みを持つご担当者の方はいませんか?
DXE Stationでは、登録に不慣れな排出事業者に代わって、収集運搬業者がマニフェストの起票を行える代行起票をはじめ、便利な機能を多数そろえています。

また、かんたん受注登録機能で、廃棄物に関するすべての受注をクラウドで一元管理することが可能です。

「排出事業者に登録を催促するのはもうイヤ……」、「紙マニフェストから解放されたい!」という方の「産廃業務のDX化」をDXE株式会社が支援します。

収集運搬業者・処分業者向け事務業務軽減サービス「DXE Station」の詳しい機能・料金プランを見てみる


DXE株式会社資料DL

この記事をシェアする

収運業者のお客様向け

DXE Station 収運業者

受注データから電子マニフェストを代行起票

クラウドでマニフェスト管理や
請求業務を一元化!
電子マニフェスト代行起票で
業務を大幅に効率化!

収運・処分業者のお客様向け

DXE Station 収運・処分業者

収運業者と処分業者をワークフローでつなぐ

クラウドで収集運搬から
処分完了までの業務を一元化!
搬入予定の確認や、
二次マニフェストの
紐づけが簡単に!

閉じる