
トラックスケールとは、トラックに積載された荷物の重さを車両ごと計測するための大型の計量器です。古紙金属回収業、砂利砕石業、ごみ処理業、産業廃棄物収集運搬・処理業には欠かせません。
公正な取引や安全管理のために必要となるトラックスケールを活用するには、概要や種類を把握しておくことが必要です。
本記事では、トラックスケールの概要や必要とする場所・業種、構成する3つの要素を解説します。記事後半では、トラックスケールの種類についてもご紹介するので、ぜひ参考にしてください。
目次
トラックスケールとは?
トラックスケールとは、トラックに積載された荷物の重量を車両ごと計測する大型の計量器です。台貫(だいかん)や看貫(かんかん)などとも呼ばれます。後ほど詳しく解説しますが、機械式・ロードセル式・埋込式(ピットタイプ)・地上式(ピットレスタイプ)・標準型・薄型(フラットタイプ)などさまざまなタイプがあります。
トラックスケールは、ただ単にトラックの総重量を計測するだけではありません。近年では高精度なコンピューターと連携し、車両のバランスや重心を測定したり、積載物の総重量を計測したりできるなど多様な機能が搭載されているものもあります。また、洗浄機能や耐圧防爆機能など、特定産業のニーズに応えられるトラックスケールも開発されています。

トラックスケールを必要とする場所・業種
トラックスケールは、公正な取引や積載物の重量計測が必要な場所や業種で活用されています。具体的には、以下が挙げられます。
- ・ごみ処理業
- ・不用品回収業
- ・古紙回収業
- ・金属スクラップ回収業
- ・砂利砕石業
- ・鉄鋼業
- ・コンクリート業
- ・化学工業
- ・食品製造業
- ・運送業
- ・高速道路・国道
- ・港湾施設
- ・道路ゼネコン業
- ・電力ガス水道業
上記の場所・業種では、トラックスケールは過積載防止や積載物の偏りを検出する目的で用いられています。
これらに加えて、トラックスケールは産業廃棄物の中間処理施設・最終処分場でも必要です。トラックスケールを用いて産業廃棄物の正確な重量を測定し、これを元に処理料金が算出されます。
トラックスケールの3つの構成要素
トラックスケールを構成するのは、以下の3つの要素です。
- ・重量指示計
- ・荷重検出部(ロードセル)
- ・計量台
それぞれの概要を解説します。
重量指示計
重量指示計とは、計測した重量を表示しデータ処理を行う装置です。トラックスケールにおいて計測データをユーザーに直接提供する役割を担います。
重量を表示する機能はもちろん、日々の計測データの閲覧や日報・月報の作成など、トラックスケールの中心的な機能を司る重要な機器です。そのため、重量指示計の使いやすさがトラックスケール全体の操作性を左右するといっても過言ではないでしょう。
直感的な操作ができるタッチパネル式の製品もあれば、ボタン入力方式のものもあるので、誰が作業するのか、どの程度の機能が欲しいかなどで選択するのがおすすめです。
荷重検出部(ロードセル)
荷重検出部(ロードセル)とは、積載された荷物とトラックの車両重量を計測する装置です。「重量」という物理的なデータを金属のひずみを介して電気信号に変換し、その信号を用いて重量を計測します。ロードセルを活用したトラックスケールの荷重検出部は、電気抵抗線式はかりとも呼ばれます。
荷重検出部(ロードセル)の正確性は、トラックスケールの性能に直接影響を及ぼすため高い精度が必要です。この部分が壊れると正しく計測できなくなるため、定期的な点検やメンテナンスを行いましょう。
計量台
計量台とは、積載物や車両の総重量を測定するための基盤となる部分です。基本的に鉄製であり、地上型・薄型・埋込型などさまざまな種類があります。
トラックスケールは、計量台の違いで分類できます。公正かつ正確な計量を実施するために、ニーズや使用環境に応じて適切なものを選択しましょう。
また「荷重」という物理的な負荷がかかる計量台には、耐久性も求められます。屋外での利用も想定して、防水・防塵性能を表すIPコードもチェックしましょう。
トラックスケールの種類
トラックスケールには、以下に挙げる種類があります。
- ・機械式
- ・ロードセル式
- ・埋込式(ピットタイプ)
- ・地上式(ピットレスタイプ)
- ・標準型
- ・薄型(フラットタイプ)
それぞれの種類の概要を詳しく見ていきましょう。
機械式
機械式のトラックスケールは、てこの原理を応用したばねばかりを活用して重量を計測します。
以前は耐久性が高いことから、さまざまな業種や場所で普及していたタイプです。しかし操作が難しく、デジタルばかりを活用したロードセル式が現代では普及しています。
老舗の製造事業者では機械式トラックスケールが稼働している場合もありますが、メンテナンスが複雑かつコストがかかるため、現在では製造されていません。
ロードセル式
ロードセル式は、荷重検出部にデジタルロードセルが用いられている計量台です。積載物とトラックの重量を、金属のひずみを利用して電気信号へと変換し計測します。このタイプのトラックスケールには、計量台の四隅にロードセルが設置されています。
ロードセル式では、高精度で安定した重量計測が可能です。デジタル技術により支えられており、離れた場所へもデータを容易に転送できます。
また耐久性に優れている製品もあり、屋外の厳しい環境条件下でも長期間にわたり高い信頼性と性能を保持します。異常を迅速に検出できるため、万が一トラブルが発生した場合でもスムーズな対応が可能です。
埋込式(ピットタイプ)
埋込式(ピットタイプ)は、積載面と地上面がフラットになるよう設計されているタイプです。段差を補正するためのスロープを設置する必要がなく、設置スペースを最小限に抑えられます。泥や水がたまりやすい場所に設置するのに適しています。
またピットが深いため、メンテナンス性に優れている点も特徴です。ただし高機能かつ特徴的な構造である分、設置費用が高くなります。
地上式(ピットレスタイプ)
地上式(ピットレスタイプ)は、地上にトラックスケールを据え付け、乗り入れ用のスロープを前後に設置します。埋込式(ピットタイプ)のようにピットが必要ないため、設置費用を安く抑えられる点がメリットです。地面を掘る必要がないため、どのような場所でもトラックスケールを設置できます。
また、埋込式(ピットタイプ)と同様に、トラックを静止させて計測できるため、高精度な点もメリットの一つです。
一方でトラックをゆっくり乗り上げさせなければならず、計測にはやや時間がかかります。
標準型
埋込式(ピットタイプ)と地上式(ピットレスタイプ)のいずれも、さらに細かく標準型と薄型(フラットタイプ)に分類できます。
標準型はトラックスケールと基礎の間に隙間があり、清掃しやすく水没リスクが少ない点がメリットです。一方で後述する薄型(フラットタイプ)と比較して、コストがかかります。
薄型(フラットタイプ)
薄型(フラットタイプ)は、設置スペースに制限がある場合や基礎工事のコストを抑えた場合に適したタイプです。このタイプはトラック乗降時の高低差が少なく、スロープの長さを短縮できます。
可搬式小型トラックスケール
可搬式小型トラックスケールは、フォークリフトや小型トラックで運搬できるタイプのトラックスケールです。一般的なトラックスケールは移動させられませんが、このタイプはコンパクトなため持ち運びできます。
地面固定式のトラックスケールと比較して、すぐに設置できる点がメリットです。
ポータブルトラックスケール
先述した可搬式小型トラックスケールは、運搬する際フォークリフトや小型トラックが必要ですが、ポータブルトラックスケールは人の手で運搬することが可能です。
場所を選ばずに測定できる点がメリットですが、地面固定式のタイプと比較してやや精度が劣る点は注意しましょう。
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