
コンクリートくずは産業廃棄物の一種で、法律や政令に基づき適切に処理しなければなりません。
本記事では、コンクリートくずとコンクリートがら(がれき類)の概要と、それぞれの違いを解説します。
記事後半では、コンクリートくずの処分方法や排出量・処理率の現状もご紹介するので、事業活動に伴いこれらが排出される事業場に携わる方はぜひ参考にしてください。
目次
コンクリートくずとは?
コンクリートくずとは、コンクリート製品の製造過程で生じる廃棄物の総称で、廃棄物処理法(正式名称:廃棄物の処理及び清掃に関する法律)やその他の政令上は「ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くず」に分類されます。
事業活動に伴い排出されるコンクリートくずは産業廃棄物に分類されるため、廃棄物処理法に基づき適切に収集・運搬、処分しなければなりません。
産業廃棄物処理業者に処理を委託する際は、処分許可業を持っているか、実績は豊富かなどをチェックしてください。

コンクリートがら(がれき類)との違い
コンクリートくずとよく混同される廃棄物に、コンクリートがらが挙げられます。両者は名前こそ似ているものの別の現場で発生し、性質も異なるため別の廃棄物として取り扱わなければなりません。
コンクリートがら(がれき類)は、廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令上「工作物の新築、改築又は除去に伴って生じたコンクリートの破片その他これに類する不要物」と定義されています。短く「がれき類」「コンガラ」と呼ばれるのが一般的で、公的機関でも「がれき類」の名称が使用されています。
コンクリートがら(がれき類)の具体例には、建物の新築・改築・解体時に排出されるコンクリート・レンガの破片や、道路工事などで出るアスファルトが挙げられます。
コンクリートがらの概要や処分方法、よくある質問などは以下の記事で詳しくまとめているので、併せて参考にしてください。
※参考:e-GOV法令検索「廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令」(参照 2024-04-02)
コンクリートくずに分類されるものの例
コンクリートくずに分類されるものには、主に以下が挙げられます。
- コンクリートブロックくず
- 石膏ボードくず
- インターロッキング(コンクリートブロックを用いた施工方法)のくず
- セメントくず
- モルタル(普通セメントに砂と水を練り合わせたもの)くず
上記の廃棄物が発生する場合は、産業廃棄物として正しく処理する必要があります。
コンクリートくずの処分方法
コンクリートくずの処分方法には、具体的に「埋め立てる」「リサイクルする」の2つが挙げられます。それぞれの方法やメリットなどを見ていきましょう。
埋め立てる
容積を小さくするために破砕処理が施された後、安定型処分場にて埋め立て処分が実施されます。
安定型処分場とは、ゴムくずや廃プラスチック類、金属くず、ガラスくず、陶磁器くずなど、性状が安定した産業廃棄物を埋め立てる最終処分場です。
リサイクルする
かつてはコンクリートくずの多くが埋め立て処分されていましたが、現在ではそのほとんどがリサイクル処理されています。主に、以下のようにリサイクルされています。
- 再生砕石
- 再生骨材
- 再生路盤材
再生砕石(再生クラッシャーラン)とは、コンクリートくずの粒度を調整したリサイクル材です。駐車場の路盤材、空き地の雑草対策、レンガ敷きや石畳の基礎など幅広い用途に用いられています。廃材を使用しているため環境負荷が小さく、循環型社会の構築に必要とされています。
再生骨材とは、コンクリートくずをはじめとするコンクリート塊を原料とし、破砕・選別などの処理を行い製造されるリサイクル材です。主に、新たなコンクリートの製造に使用されています。耐久性や強度によりさらに細かく再生骨材L・M・Hに分類されます。
再生路盤材とは、コンクリートくずを破砕して、セメントや瀝青材料(れきせいざいりょう)などの安定材と混合し製造されるリサイクル材です。
大きく、下層路盤材料の再生クラッシャラン(RC)と上層路盤材料の再生粒度調整砕石(RM)の2つに分類されます。
コンクリートくずの排出量・処理率の現状
環境省の公表した資料「産業廃棄物の排出及び処理状況等」によると、令和3年度の「ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くず」の排出量は全国合計で7,562千トンです。
このうち、全体の77.1%にあたる5,832千トンが再生利用され、15.2%分の1,150千トンが最終処分されています。
全部で20種類ある産業廃棄物のうち「ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くず」はリサイクルが進んでいます。
一方で、がれき類の再生利用率は96.4%、金属くずは95.9%、動物のふん尿は95.0%、鉱さいは91.9%です。この事実を考慮すると、まだリサイクルできる余地は残されているといえるでしょう。
※参考:環境省.「令和4年度事業 産業廃棄物排出・処理状況調査報告書 令和3年度速報値 」(参照 2024-04-02)
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